取締役社長 豊田 正宏 氏
所在地 |
兵庫県神戸市西区見津が丘2丁目2番4(神戸複合産業団地内) |
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TEL |
078-995-3393 |
FAX |
078-995-3390 |
担当者 |
取締役社長 豊田 正宏 |
事業内容 |
樹脂・セラミック・断熱材の加工 |
ユタカ産業株式会社は、兵庫県の神戸複合産業団地内にある、樹脂・セラミック・断熱材の切削加工メーカーだ。
特にガラス繊維と樹脂の複合材(GFRP)、カーボン繊維と樹脂の複合材(CFRP)、セラミック、断熱材など、加工性の悪い材料を得意としている。
「加工が難しい特殊な材料をお客様にもっていく。『こんなんでも加工出来ますよ』って見せる方が分かりやすいですから」と、社長の豊田正宏氏は話す。
加工が難しい材料というのは、各種のFRP(繊維強化樹脂)、断熱材などである。
熱硬化性樹脂としては、ベークライト、ガラスエポキシ積層板、FRP、熱可塑性樹脂では塩ビ、アクリル、MCナイロン、ジュラコン、テフロン、PEEKなどである。これらは、電気絶縁部品、機械部品、マイナス200℃以下の極低温で使用される超電導マグネットの絶縁部品や、プラス200℃の環境にさらされるH2Aロケットの電池ケースまで、幅広く対応している。
断熱材・耐熱材料としては、ガラス繊維・セメント・マイカ・ケイ酸カルシウムなどを主原料とした、耐熱温度100℃から1000℃のさまざまな断熱材を加工している。これらは金型・成形機の断熱板、ヒーター・電気炉の断熱材、アルミ鋳造用耐熱消耗部品、食品機械の耐熱部品、ガラス加熱成形用治具などとして供給しているのである。
樹脂の加工屋というと日本全国に多数存在する。しかし、ユタカ産業はどこに委託すべきか分からない、難しい材料を加工するノウハウを蓄えているのである。
ユタカ産業の品質は、マシニングセンターやNC旋盤を初めとする豊富な加工機と熟練技術者の手によって保証され、最短で受注当日出荷という短納期も実現している。また、注文ロット1個から1万個まで対応し、海外にも届けているのだ。
豊田氏の人生観を大きく変えた事件がある。ユタカ産業に転職する以前、ある大手メーカーに勤めていた豊田氏だったが、新入社員の時に派遣され2年間駐在したアフリカのリビアで、クーデターが起こったのだ。
「会社も、国(大使館)も、私を守ってくれなかった―――」
豊田氏は、そのとき独立心を強く持ち、30歳のとき父親が経営していたユタカ産業に転職した。
持ち前の積極性、さらに売上を増やさなければならないという危機感から、ユタカ産業に入ってまず取り組んだことは新規開拓だった。当初は主に電話で1件ずつアポを取るというスタイルで営業していたが、5年前にホームページを立ち上げたこともあり、最近は、インターネット経由での新規受注も月に3~4件はあるとのこと。
豊田氏の努力は、ここ15年間で、売り上げを5倍、顧客数を10倍に伸ばすことで、着実に実を結んでいる。
加工が難しい特殊な材料は、需要が少ないと言えるかもしれない。しかし、
「ニッチ(すき間)であるところを狙ったのがお客様に評価されたのではないでしょうか」と豊田氏が言うように、あえて他社が踏み込みづらい市場を狙うことで、ユタカ産業は活路を見出したのである。
「失われた10年」と叫ばれた日本で、着実に売り上げを伸ばしていったユタカ産業の実力、伊達ではない。
株式会社エヌシーネットワーク/島田俊宏