第30回 株式会社 渡辺製作所

株式会社 渡辺製作所 [左] 品質管理部長 渡辺 氏  [右] 常務取締役 土田 氏 氏 [左]品質管理部長 渡辺 氏 [右]常務取締役 土田 氏

株式会社 渡辺製作所

所在地

新潟県白根市新飯田3000

TEL

025-374-2146

FAX

025-374-2261

担当者

取締役 営業部長 笠原 健一

事業内容

自動車や船舶、家電、工作機械などの業界における、金属熱処理加工

惜しまない努力が生み出す、顧客満足度

渡辺製作所は、新潟県白根市で金属熱処理加工を営む企業である。
自動車や船舶、家電、工作機械などの業界で、様々な金属の熱処理技術を提供しており、特に高周波焼入れ、浸炭焼入れを得意とする。
近年では、金属の表面にチタンやクロムなどの硬いセラミック皮膜を作る、イオンプレーティングのような新しい表面改質技術にも積極的に取り組んでいる。今回は、常務取締役である土田氏と、品質管理部長の渡辺氏にお話を伺った。

経営不振からの巻き返し

現社長の渡辺明治氏が1961年に創業した当時は、主に洋食器を製造するプレス成形の会社であった。しかし、オイルショックの頃から海外への輸出が減り始め、経営不振に陥った。そこで、今後延びていくであろう熱処理業界に希望を託し、事業転換を決断したのである。

熱処理を始めた当初こそは、従業員わずか5、6人という小規模であったが、82年に第一工場を建てた頃から量産の受注が徐々に増え始めた。そこからは右肩上がりに経営が順調に進み、第二、第三、第四工場と次々に増設し、現在は更に第五工場を建設中という大きな成長を遂げている。

一度加工の依頼を受けた相手は、ほぼ例外なくリピートしているという渡辺製作所。それはつまり、お客様からの確かな満足および、信頼を得ている証拠といえるだろう。不良などで他社に迷惑をかけていては、もちろん信頼は得られない。「当たり前の事ではありますが、個々の製品にばらつきが出ないようにすることが、とにかく大切。その為に、生産・品質管理には徹底して気を配っています。」と土田常務は言う。

品質データをコンピュータ管理し、不良集計を行なうことで、製品の品質を常に一定に保つ。また、熱処理では時に約900度もの高温を用いており、設備への負担も大きく消耗が早い。その為、設備のメンテナンス・交換は定期的に行なっており、例えば一つ10万円近くする温度計も、精度を保つ為に二ヵ月、もしくは早くて一ヶ月毎の交換を惜しまない。こういった細やかな生産・品質管理により、渡辺製作所は顧客満足度を向上させている。

IT利用で効率化

また、渡辺製作所では注文履歴をコンピュータ管理することで、作業の効率化を図っている。

以前は、受けた注文に対して加工書を作成し、それをもとに加工を進めており、多い時で一日400枚以上の加工書を手書きで作成していた。

しかし、現在では過去に取引のあった顧客ごとに注文履歴を残しているため、コンピューターに顧客カード情報を入力することで、作業記録表の自動出力が可能になった。その作業記録表は複写ページがついており、検査表の役割も果たす。また、更にはこの入荷管理によって客先別売上げも自動集計されるようになっているため、相当な人為的手間が省略されているのである。

このように、渡辺製作所が大きくなっていく過程には、お客様への信頼・満足度を高く保つ努力や、新しいことへの意欲的な取組みと工夫が伴われているのである。

「“出来ない”と言う言葉は、口に出さない」というのがモットーである渡辺社長の向上心をスタッフ全員が受け、これからも同社は大きく成長していくであろう。

株式会社エヌシーネットワーク/榊直子

株式会社 渡辺製作所

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