代表取締役社長 石川 英孝 氏
所在地 |
東京都葛飾区東四つ木二丁目4番12号 |
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TEL |
03-3696-1981 |
FAX |
03-3696-4511 |
担当者 |
営業部 澤田孝紀 |
事業内容 |
精密めっき、超精密・微細パターン転写技術と金型製造 |
株式会社ヒキフネは、昨年に創業80周年を迎えた装飾めっきの老舗である。ブランド装飾品から電子部品まで数百種類にもおよぶ多彩な技術で、めっき業界の第一線を走り続けている。「現代の名工」にも選出された二代目社長(現相談役)を筆頭に、組織基盤の構築に辣腕をふるった三代目社長(現会長)、現在の四代目社長石川英孝氏まで、一貫して技術に根差した開発志向がヒキフネのDNAだ。
例えば、ヒキフネの基幹技術の一つに、ダイカスト手配からめっき処理までの一貫対応により品質と生産性を飛躍的に高めるノウハウがある。高度経済成長期の工芸品や装飾品の生産に活躍し、その後、バレル式の3価クロムめっきや、アルミ鏡面の無欠陥処理など、新たに開発された技術と併用され、デジカメ外装部品といった主力商品の市場獲得に貢献してきた。
1980年に研究開発部門をスタートさせ、膨大な新技術の実験・現場導入を進めてきた。その集大成の一つが、直径125マイクロメートルの光ファイバー先端部へのめっき処理技術である。2000年頃、他社に先駆けて技術開発に取り組み、光通信への新規参入を果たした。しかし市場は停滞。多くの競合が撤退するなか、反発するように展示会やWEBサイトなどを積極的に活用した。
その成果を疑問視する声もあったが、担当の事業部長が「やらなければ結果は出ない」と粘り強く営業開拓を進めた。その結果、それぞれの事業部長が責任と権限を持つヒキフネならではのスタイルで苦境を乗り越え、今では通信業界にも光ファイバーのヒキフネとしてその名が知れ渡るまでになった。さらに現在は、海外展示会や英語サイトを活用し、北米を中心とした海外の引き合いを集めている。
2014年、主力商品だったデジカメ部品の生産拠点がタイに移行。合わせて、ヒキフネも石川社長自ら指揮を執り、タイ法人の設立を進めてきた。予想外の設備投資や従業員の離職などの問題に悩まされながらも、将来的な大口案件を掴むなど先行きは明るい。
国内でも、新たな主力商品を生み出すべく新規開拓を進めている。組織を横断したチームを組み、市場動向について協議することで、さらなるWEBや展示会の活用促進にも取り組む。リスクを覚悟し、技術開発に挑み、チャンスを掴む。次なる100周年に向け、ヒキフネのDNAを受け継いでゆくのだ。