代表取締役社長 坂本 悟 氏
所在地 |
〒223-0066 神奈川県 横浜市港北区高田西1-5-1 |
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TEL |
045-593-6116 |
FAX |
045-593-6121 |
担当者 |
木村 恒夫 |
事業内容 |
順送を主体とした精密プレス加工、金型設計製作、試作品製作 |
株式会社キョーワハーツはNCネットワークの創業メンバー(9社)の1社である。板バネを手づくり試作から金型設計製作、プレス量産加工まで一貫生産する高い開発サポート力を持ち、ITの積極活用により経営の飛躍を続けている。
NCネットワーク発足の1998年当時について、「ホームページをつくってから1年くらいで徐々にお客さんが来るようになった」と代表取締役社長・坂本悟氏は振り返る。これがキョーワハーツの転換点であった。
インターネット活用前の営業方法は電話と訪問によるプッシュ型。案件内容も“他社で出来ない加工”を請け負うケースが多く、技術力は高められたが、仕事の幅が広がる実感が持てずにいた。しかし、インターネット活用というプル型営業は仕事のフィールドを広げる大きなきっかけとなった。これまでなかったような引き合い・取引が増加し、培った技術を誇れる案件が見られるようになったためである。
その結果、いまでは主要取引先のうち約70%がインターネット経由の出会いによるところにまで至った。さらに、副次的効果として“口コミ”による案件の問い合わせも順調に増加した。「インターネットがなければ、うちの会社はなかった……」と坂本氏は表現するが、この舵取りは先見の明による経営の妙にほかならない。
同社の成長はこれに留まらない。インターネット活用により売り上げが150%伸び、取引先がほとんど入れ替わるまでに至った後も、さらなる飛躍に向けて展示会出展などのプロモーションにも挑戦するようになる。これが功を奏し、徐々に量産にまで結びつく案件が出始める。
こうしたプッシュ型とプル型を組み合わせた営業は、“自社の強み”を見直す機会をもたらし、自社の強みを認識することによって“提案力”を生み出した。この“提案力”がこれまで築いた技術力に付加され、キョーワハーツの新たな価値となっていった。
2006年、携帯電話のヒンジ部品の受注に成功。この顧客もネット経由で取引が始まったが、自社の提案を携え顧客に日参したことが成功のポイントとなった。その後、「プレス部品は全部御社に出したい」とまで言わせるほどの評価を受け、一時は総売上の40%を占めるに至る大型受注へと案件は成長したのだ。
インターネット活用をきっかけに飛躍の階段を駆け上がるキョーワハーツ。〝技術を売る企業〟として部品メーカーの試作から量産までを一貫してサポートし、開発スピードの向上に貢献することを基本理念に掲げる。
人材採用にも積極性を強め、ここ2年で従業員数は約1.5倍になった。NCネットワークのエミダス求人ナビの活用を通じ、新卒採用の体制づくりも進めている。
坂本氏は、「今後は従来出来なかった分野への拡大や、さらなるITの駆使を実行する」と理念実現に向けた戦術を語る。坂本氏の目には〝薄い・小さい・細い・多機能〟部品製造の“プロ集団”へのビジョンが見えていることだろう。
編集部/小宮山 靖裕