第90回 株式会社 ケディカ

株式会社 ケディカ代表取締役社長 三浦智成 氏

株式会社 ケディカ

所在地

宮城県仙台市泉区明通三丁目20番

TEL

022-777-1351

FAX

022-777-1357

担当者

取締役技術本部長 菊池 敦

事業内容

各種めっき(含む:高機能抗菌めっき)、陽極酸化処理、化成処理

めっき・表面処理の総合メーカーを目指して

時代や環境の変化を受けて

多様な試験機器・測定機器が大活躍

株式会社ケディカはまもなく創業70周年を迎える総合表面処理企業である。現在、主力事業である各種めっき処理の他、化成処理、陽極酸化処理、研磨、脱脂、洗浄等の各種表面処理を行い、幅広い素材に対応している。また電子・電機部品、自動車、半導体、建築資材等と幅広い業界との取引を行っているほか、海外子会社を通じて海外顧客との取引も行っている。

ケディカの特徴は、時代・環境の変化を敏感に捉え対応する先見性と、
技術開発力である。国内外の製造業界全体から地場製造業に至るまで、ニーズの変化を敏感に捉えた研究開発、設備投資を積極的に実施することで、国内6工場及び海外子会社を通じて
幅広い顧客へのサービス提供を展開している。

震災後の転機

2011年の東日本大震災後、ケディカは自社の復旧と共に、地域への支援活動もすぐに開始した。当時代表取締役である三浦廣行氏自ら沿岸部の被災地を訪れ、炊き出しや支援物資の運搬を行った。その際、ライフラインが停止している現地生活の衛生面を目にし、表面処理技術によりその状況を「少しでも改善出来ないか」「何とか出来ないか」と模索した結果『高機能抗菌めっき』に辿り着いた。

高機能抗菌めっきへの挑戦

新開発の「超抗菌ボール」製品

『高機能抗菌めっき』への取組みには、株式会社神戸製鋼所が開発した技術である「ケニファイン」を採用。東北の企業として初めてライセンス契約を結び、実用化のための研究開発・試作を開始した。まず、抗菌性に加え、抗ウィルス性、防カビ、防藻性についても持続性及び安全性の観点から検証を実施。その結果を踏まえて試作品を製作し、社内外で試験を実施した結果、従来の抗菌めっきに比べ10倍以上の抗菌性、50倍以上の防カビ性効果があり、防藻性・抗ウィルス性にも優れている事が判明した。それにより同社では、板、球体、メッシュ、箔、粉末等の様々な形状の材料に対して同めっきを行う技術を確立し、「超抗菌めっき」というブランディングと共に製品化にも成功した。

例えば、3φのステンレスボールに同めっきを施した「超抗菌ボール」は宮城県を通じて被災者の仮設住宅に提供されている。浴槽へ入れておくことで雑菌繁殖を抑制し、水替え頻度の減少による節水効果、掃除の簡素化等の効果がある。結果、被災者への一助となり、被災地に貢献をするという当初の思いを、自社の技術を生かした製品によって叶えることができた。現在では製造工場向けに、スクラバーやクーリングタワーの防藻対策向け製品の開発にも取り組んでおり、今後は医療・介護福祉施設用品、住建設備、食品加工用品、製造設備、養殖装置、ペット用品等への同技術の展開を構想している。

株式会社 ケディカ

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