代表取締役 佐山 修一 氏
所在地 |
岡山県真庭郡湯原町下湯原8-1(本社工場) |
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TEL |
0867-42-3690 |
FAX |
0867-42-3694 |
担当者 |
部長 佐合 昭平 |
事業内容 |
各種工業用樹脂やゴムシートの打ち抜き加工とアッセンブリ-、および各種生産システムの設計開発、製作、販売。 |
オーティス株式会社は、岡山県でシート状の樹脂やゴムなどの加工を行う会社だ。主に、携帯電話の液晶の隙間に使用される、緩衝用パッキンの製品を得意とする。
同社の事業について尋ねると「文字どうりの隙間産業なのですよ」と、ユーモアを交つつも真摯にお話してくださった佐山社長。同社がここまで成長してきた経緯、独自技術の開発や新たな取り組みについて伺った。
以前、オーティスが工場を構える湯原の町には産業といえば観光業しかなく、佐山氏も大学を出て地元に戻り当然のように旅館に就職した。
しかし、次第に家の借金も返していかなければいけないという状況から、観光業の限界を感じ始めていったのである。「何とかこの湯の町に新しい産業を興せないものか」と思い悩んだ佐山氏は、学生時代にアルバイトをしたていた先輩に、湯原でシート加工の仕事をやらせて欲しいと頼み込み、協力を得て起業することに。
それから17年、現在は売上高30億円、社員100名の堂々たる企業を成長させた。もちろん、右も左も分からない佐山氏にとって、会社をそこまで成長させるのは簡単なものではなかった。しかし、同氏の製造業に賭ける熱い想いと、努力と郷里を愛する気持ちに共感した同業者の先輩達が、いろいろな加工法を惜しげも無く教えてくれたことが、この成功をもたらしたのだ。
佐山氏の人柄があってこそ、この湯の町湯原に新しい産業と雇用を創出したのである。
オーティスではトムソン型の自社生産から、試作品の加工、量産までと社内一貫生産が可能。今までの加工方法にとらわれず、製造機械や新金型の開発、加工方法などを日常的に行っている。
例えば、主力製品のひとつである携帯電話などに使用される樹脂シートの加工は、今まで切断、接合、プレス打ち抜きと、別々の工程で行っていたが、現在は独自に開発をしたロータリー式電子部品加工装置を利用し、ワンラインで同時に加工が出来るようになった。この自社開発の機械は、ニュービジネス優秀賞を受賞しており、業界でも大きな注目を浴びている。
さらには、業界に先駆け工場のクリーンルーム化などを行うことで、益々求められる高品質、低コスト、短納期と市場のニーズに応えている。
社員100名が働くオーティスでは、ファイルサーバーwindows2000により、50台もの端末で大きな工場内を管理している。社内LANを導入する以前と比べれば、人員、コスト、納品管理、どれをとっても大きな効率をあげていることを実感しているそうだ。
会社を経営していくために、IT活用は不可欠だと考える佐山社長が、現在強化を図っているのが生産管理システム。「綿密な生産管理によって在庫を減らし、出荷管理を徹底させたい」と意欲的に話してくださった。
また、2005年に久世の工業団地に新設予定である、量産を中心に行なわれるサイバーファクトリーでは、インターネットカメラによる遠隔管理を計画中である。さらには、中国青島やシンセンに構える分岐工場でも同様の試みを進めていき、ワールドワイドな活躍を目指している。
新しい世界へ飛び立つための勇気と情熱を持つ佐山氏は、今後日本各地、さらには世界を舞台に羽ばたいていくであろう。
株式会社エヌシーネットワーク/尾幡