第64回 株式会社 石川製作所

株式会社 石川製作所 代表取締役 平岡 宏一 氏 代表取締役 平岡 宏一 氏

株式会社 石川製作所

所在地

〒152-0002 東京都 目黒区目黒本町4-16-3

TEL

03-3714-7517

FAX

03-3793-2436

担当者

営業 牧 政幸

事業内容

精密プラスチック部品成形、金型製作、組立加工、エレクトロパーツ製造販売

多才な技術で未来を創造する

「乗り越えられる程度の試練ならあったほうがいい。それを糧にして負けないでなんとかしていく」
幅広い技術、海外自社工場との連携で生み出す対応力が未来を切り開く。

国内・海外連携でのメリット

自動車のヘッドランプレンズ 目視検査による徹底した品質管理を行う

国内3拠点の他、インドネシアにも工場を構えているプラスチック成型メーカー、石川製作所。高度な射出成形技術において自動車部品から携帯電話、医療機器、光コネクタなど多くの分野に携わり、コスト競争力にも秀でている。

代表取締役の平岡宏一氏は12年前にインドネシア工場を立ち上げ、現在に至っては国内との双方で社長を務めている。毎月行き来をすることで、海外にいても日本の動きが見え、また日本にいても海外の動きがよく見えるという。国内の仕事のなかではバックヤードに海外工場を持っていることで受けられることも多く、興味をもってもらえるなどのきっかけになっているのである。

以前は韓国、中国、マレーシア、インドネシアなど海外で金型を作ることが多かったが、現在では金型の立ち上げと検定までを日本で行い、持ち込むパターンが増えている。金型製作は初期の綿密な打ち合わせが明暗の鍵を握ると考え、実際に顔をつき合わせて図面に直接書き込むコミュニケーションを重要視しているのがその理由である。これによりお客様としては「日本の金型を使って安心なうえにリーズナブルにできる」という利点がある。こうして技術も機械も国内と等しくなった金型は、問題なくスムーズにインドネシアで立ち上がるのである。同社では国内の金型メーカーと国境を越えて関連しながら仕事をしてゆきたいと考えている。

切り替えへの挑戦

福島工場の成型ライン 60~360tの成形機が立ち並ぶ

もともと同社はブラウン管テレビ、ディスプレイの部品をメインとしていた。インドネシアへの進出についても前出の取引先からの希望が背景にあったが、少しずつ情勢が変わり、対象製品の進化によるシェアが激減し、国内外ともに仕事がなくなった。インドネシアでは平岡氏が単独で営業に明け暮れ、5年間で48万キロもの距離を車で駆け回った。

後がない状況に置かれた同社であったが、家電から一転し、自動車のヘッドランプなどへのシフトチェンジに踏み切った。自動車と家電では注文の受け方から仕事のやり方、性質まですべて異なる。国内工場では従業員の一丸となった強い意識のもと、現場はもちろん管理体制もすべて切り替え、軌道に乗せるまでに至った。現在では自動車の他でも幅広い分野において、多才な技術を開花させている。

一方インドネシア工場でも社内体制が整い、ISO/TS16949の取得も成した。海外工場では日本人のためだけを考えていると決して立ち行かない。現地のスタッフが「自分たちが会社を動かしている。日本人の会社だけれど、ここはインドネシアだ」という意識を持って働けるよう気遣っている。“日本は日本、現地は現地”の相乗効果でやっているため、どちらの会社が上だという考えも生まれることはない。

一歩先の技術革新へ

「ひとつの分野に特化して世界に出る方法もあるが、うちのように御用聞きみたいに何でもやります、こういうこともできます──という方法もある」と同氏は語り、また同社の今後について、次のように続けた。「インドネシア工場は設備ばかりではなく新しいものを取り入れ、且つ機械に見合う技術と人材を育てて、会社の体質を強くしてまだまだ大きくしたい。国内の方では設備的な冒険はせず、中の体質を強くして多分野に携わることでノウハウを溜め、世の中の流れを見ながらチャンスを待つ時期。HPを開設してから色々な話がくるようになり、“一緒に開発をやりませんか”と言われることもある。自分たちの利益だけでなくお客様へ提案をして判断していただき、出来ることはなんでもやるし、研究開発もおもしろいので積極的に取り組んでいきたい」

石川製作所から生まれる技術は今日も輝きを放ち、世界中を豊かにしていくであろう。

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