標準作業は作成当初は繰返し作業は出来ているが、まだ改善の余地が有るので「"表"準作業」と呼び、ムダ取りが進んだ状態の「標準作業」と区別します。
現場改善では先ず「"表"準作業」の状態を作り上げ、人や機械の動きを見えるようにします。そして改善を積み重ねて、ムダの無い「標準作業」を速やかに確立しなければなりません。
標準作業は監督者自身がこうやるべきだと決めたものなので、当然監督者が作成しなければなりません。決めた標準作業をいかに作業者にやらせるかが重要なポイントになります。
この手順を繰返し行い、訓練する必要が有ります。
毎日の生産活動では必要数の確保だけでなく、品質とコスト(=工数)についても目標を達成して行くことが大切です。
そこで「質・量・コスト管理表」を使って「品質」、「量」、「コスト」の三つについて、日々の管理をする必要が有ります。
【質・量・コスト管理表】は、GIF形式でダウンロードできます。ご活用ください。
表の説明
監督者は計画された必要数を達成するために、作業者に標準作業を実施させることが不可欠ですが、標準作業を守らない、機械故障、品質トラブル、欠品などの異常が起きたらその対策を速やかに行い、標準作業を改定し、再発防止に努めなければなりません。この異常を把握し処理する方法として「目で見る管理手法」が有効です。
その2、3の方法を説明します。
機械故障、品質トラブル、欠品などの異常が発生したら、作業者は直ぐに手元のボタンを押して「表示灯」を点灯させ、皆に異常を知らせる。監督者は「表示灯」が点灯したら、異常場所おに行き、真因を探求し、速やかに処置しなければなりません。
もし処置できないときは上司に連絡します。
「表示灯」実用例
監督者は時間ごとの出来高のバラツキを監視し、計画との差異があれば何か異常が発生していると考え、直ぐに真因を探求し、処置しなければなりません。
作業者は標準作業通りの作業を行っているか、工程間の仕掛りは標準手持ち通りか、物の置き方はどうか、品質のバラツキはどうか、手待ちはないか、などについて、改善の目的を持ってライン観察していれば、問題点は見えてくるはずです。
まとめ
繰返し生産が行われている加工、組立ラインで、人と機械の動作の最も効率良い組合せを考えて、「標準作業」を行うための標準作業書の作成について、まとめてみました。
次回の講座では繰返し生産が行われている加工、組立ラインやライン化が難しくて機種別の設備配置になっているラインの生産革新の進め方についてまとめる予定です。繰返し生産のラインでは「標準作業書」を作成して、改善を進めて行きます。