ＣＡＤ／ＣＡＭ座談会・第2弾～自動車金型編～

ソリッド設計ですが、皆さんの取り組みはどうですか。

２年ほど前にソリッドに切り替えました。設計・CAD/CAM・加工の各部署の受け入れはスムーズでしたが、紙製の組図に慣れた組付け・仕上げ部署への浸透は困難でした。最終的には半ば強硬手段でしたが、今は設計から最後の仕上げまで、ソリッドを活用しています。ソリッドが社内コミュニケーションの中心となり、同じシステムを使うことで金型設計の意図が社内全員に見やすく解りやすく伝わることが弊社の強みですね。

現場にビューワー等を設置し準備はしています。現場ではソリッド設計してもお客さまには２次元図面をださなければならないのですよね。

自動車工業界の流れで今、PDQ^※のガイドラインを策定しています。また、新しい動きとしては、２次元図面を出す代わりに全て３次元で表そうと、「３次元図面」標準化の策定を進めています。その流れにはどう対応していこうと考えておられますか。

メーカーさんがデータを配る際に品質をキープして渡しましょう、という活動はいいと思います。ただ、受取る際にお客さまはデータを受け取らないで、図面を要求します。弊社でボタン一つで図面を出せるシステムをつくりましたが、結局その図面に手を加えて出しています。上流だけをみたPDQではなく、納める段階の下流までを視野に入れたPDQであるのなら助かるのですが。

お客さまのほうでは３次元でデータを出しても、メンテナンス用などで金型メーカーには２次元の図面を要求していると言うことですね。

最近成形シミュレーションが結構ネックになっておりまして、それをかけないとお客さまも次の作業に移らせてくださらない。

その場合、お客さまからソフトウェアの指定は有るのですか？

指定はありませんし、費用もいただけません。基本的にお客さまのデータどおりに加工できないわけです。それで見込みやシミュレーションをかけてつくり直しています。シミュレーションは弊社でもネックではあります。もともと我々が｢こうでなければいけないですよ｣と提案していたのが、今は口頭ではなくシミュレーションで証拠を見せるようになったように思います。

プレスメーカーさんが短納期を目指している背景があります。以前ですと、こちらの提案をなかなか信用していただけなかった。とりあえず言われたままのことを試した結果、｢やっぱりダメでした、図面を直させてください｣ということがありましたが、それではメーカーさんも時間が追いつかない。それで最初にシミュレーションをかけて、ファーストトライで終わらせようとしているのではないのでしょうか。