省資源、省エネルギーに加え、地球環境問題への取り組み無くしては、いまや国際競争力を持ち得ない情勢となっています。とくに、地球温暖化の一因とされる二酸化炭素排出では、日本全体の約15%を自動車が占めていることから、これらを減らす軽量化への要請が高まっています。 そのため、軽量化およびリサイクル性に有利なアルミニウム素材が近年クローズアップされており、世界各国でアルミ素材への研究が進められています。
主な環境要因 | 自動車の対応策 | |
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地球温暖化の懸念 |
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大気汚染および酸性雨 |
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オゾン層の破壊 |
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廃棄物処理 |
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1998年12月に運輸技術審議会が「自動車の燃費基準の強化について」という非常に高いハードルの答申を行いました。当然これらの目標値は規制値となり低燃費車は税制面で優遇措置を得られるなど販売価格に影響を及ぼす結果となります。他方、海外においてもアメリカのCAFE規制強化、EUは大幅な改善目標値の設定など輸出車が3割を占める日本メーカーとしては差し迫った問題となりつつあります。
主たる内容は次の通りです
1995年度実績値 | 2010年度指定値 | 向上率 | |
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乗用自動車 | 12.3Km/L | 15.1Km/L | 22.8% |
車両総量2.5トン以下の貨物自動車 | 14.4Km/L | 16.3Km/L | 13.2% |
全体 | 12.6Km/L | 15.3Km/L | 21.4% |
アメリカ | CAFE規制強化現行2700Lg以下の乗用車11.6Km/Lを20%以上の改善を検討中。フォード社が具体化している軽量車 P2000(約900Kg)もこれを睨んでの動きである。 |
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ドイツ | 2002年までに3リッターカー(100Km/3L)に税制優遇措置を決定。 |
EU | 2008年までに1995年の実績をベースに25%燃費向上の目標を立案。 |
執筆者紹介
アルミニウム・アソシエイツ 株式会社 代表取締役社長 菱田好文
ホームページ:http://alumi.shichihuku.com/