第19回 事業承継支援制度-事業承継
事業を円滑に後継者に承継するためには、法律的、会計的、税務的等の様々な知識が必要となります。また、後継者不在等により事業の継続が困難となっている中小企業も多く見られます。
我が国の大部分の企業が中小企業であることを鑑みて、中小企業庁では事業を円滑に承継するための施策を講じております。
1. 事業承継支援センター
(ア) 概要
事業承継時に生じる様々な課題に対応したワンストップサービスを展開しております。
(イ) 対象者
① 事業承継・後継者不在等で悩んでいる中小企業経営者
② 開業希望者
(ウ) 支援内容
全国に設置している事業承継支援センターにおいて、
事業承継全般の相談や事業承継対策の重要性を周知するセミナー
事業承継の知見が豊富な専門家の派遣
後継者不在の課題を抱える企業と開業希望者等のマッチング支援
を実施しています。
(エ) 具体的な支援内容
① 窓口・巡回相談
事業承継について、窓口・巡回相談を行っています。
② 専門家派遣
弁護士や公認会計士、税理士を始めとする事業承継の知見が豊富な専門家の派遣を実施しています。
③ セミナー開催
経営者・後継者等を対象とした、事業承継対策の重要性などを周知するセミナーを開催しています。
④ 開廃業マッチング
開業希望者と後継者不在等の課題を抱える企業との交流会の開催等を通じてマッチングの支援を行っています。
(オ) 問い合わせ先
中小企業基盤整備機構 事業承継・知的資産経営支援室
電話:03-5470-1576
2. 事業継続ファンド
(ア) 概要
経営者不在等の事業承継問題により新たな事業展開が困難となっている中小企業は、新事業展開を通じた経営の向上を図ることを目的とするファンドによる資金供給や販路拡大等の踏み込んだ経営支援を実施しています。
(イ) 対象者
優れた技術やノウハウを持っているが、後継者不在等の事業承継問題を抱え、新商品の開発、新事業の開拓等、新たな事業展開が困難となっている中小企業
(ウ) 支援内容
目利き能力や販路ネットワークを有する民間の投資会社等が運営するファンドに対して、中小企業基盤整備機構が出資(ファンド総額の1/2が上限)を行うことで、後継者不在等の問題に悩む中小企業への投資機会の拡大を図っています。
ファンドを運営する投資会社の審査を通過すれば、
オーナー経営者等からの株式取得による経営権の取得
各種手法による事業資金の供給
無限責任組合員による経営面での支援
その他、中小企業基盤整備機構による各種支援等
の経営支援を受けることができます。
(エ) 利用方法
ファンドからの投資を希望する場合には、中小企業基盤整備機構ホームページのファンド検索(
http://www.smrj.go.jp/fund_search/cgi-bin/search.cgi)にて、事業継続ファンドを選択し、ファンド運営会社へ直接相談するか、(オ)問い合わせ先まで問い合わせる必要があります。
(オ) 問い合わせ先
中小企業整備機構 ファンド事業部 電話:03-5470-1570
- 執筆者紹介
- 大井 宏明(おおいひろあき)
株式会社ルーキー
代表取締役社長
公認会計士。慶應義塾大学経済学部卒業。1999年から監査法人トーマツにてベンチャー企業の株式公開支援業務、法定監査業務、その他各種コンサルティング業務に従事。2005年末に監査法人トーマツ退社後、2006年初から上場準備企業の取締役CFOに就任し、上場準備業務の統括責任者となる。2008年株式会社ルーキーを設立、代表取締役社長に就任。経営戦略立案や社内体制整備等の各種コンサルティング業務を実施している。
株式会社ルーキーホームページ:http://rookie-japan.com
講座トップ
ページ上部へ戻る