今後数回に渡り、中小企業に関する資金調達支援制度について説明します。中小企業は突発的な事象を含め、資金繰りに苦労している企業が多くあります。中小企業庁は、中小企業に向けて、様々な資金調達方法に関するサポートを実施しています。
原材料価格や仕入価格の高騰、国際的な金融不安等による急激な経営環境の変化により、資金繰りに支障が生じている中小企業に一般保証枠とは別枠で緊急保証を行っています。
経済産業大臣の指定を受けた760業種に属する事業を営んでいる中小企業者で、次のいずれかの要件を満たしているもの。
① 最近3ヶ月間の月平均売上高又は平均販売数量が前年同期の月平均売上高等に比して3%以上減少していること。
② 原油等価格の高騰により、原材料価格が上昇しているにもかかわらず、製品単価に転嫁できていないこと。
③ 最近3ヶ月間の売上総利益率又は営業利益率が前年同期比で3%以上減少していること
<具体的事例>
×1年4月売上高 90万円 5月売上高 100万円 6月売上高 110万円
×2年4月売上高 85万円 5月売上高 90万円 6月売上高 95万円の場合
×1年3ヶ月平均売上高 =(90万円+100万円+110万円)÷3ヶ月
=100万円(ⅰ)
×2年3ヶ月平均売上高 =(85万円+90万円+95万円)÷3ヶ月
= 90万円(ⅱ)
月平均売上高減少率 =(100万円(ⅰ)-90万円(ⅱ))÷100万円(ⅰ)
=0.1 →10%>3%
よって、対象者となります。
上記対象者に対し、保証限度額の別枠化を図る制度です。
① 保証限度額
(一般保証限度額) (別枠保証限度額)
普通保証 2億円 + 普通保証 2億円
無担保保証 8,000万円 無担保保証 8,000万円
② 保証料
0.8%以下で、信用保証協会ごと及び信用保証制度ごとに定められています。
対象者は、本店(個人事業主の場合は主たる事業所)所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等の窓口に、対象となる事実を証明する書面等を添付の上、認定申請書2通を提出し、認定を受けた上で、希望の金融機関又は所在地の信用保証協会に認定書を持参の上、保証付融資を申し込むことになります。
金融審査を経た上で、融資及び保証の可否が決定されることとなっています。