繰り返しになりますが、広報活動とは企業がメディア(新聞、雑誌、テレビ、インターネットなど)に発信した情報が、メディアに採り上げられた場合に記事となって、多くの読者(視聴者)に読んでもらうことを言います。
先ずは皆さんからメディアに情報を発信することがスタートです。情報を発信しなければ、メディアは皆さんの会社を知ることはありません。たまたま口コミで知ることがあったとしても、積極的に情報を発信している会社に興味を持ちます。普段から受け取っている情報量が多い方が取材しやすくなります。
このメディア向けに発信する情報を「プレスリリース」と呼びます。
広報活動の第一歩は、伝えたい情報をプレスリリースとして書いて皆さんの業界に興味を持っているメディアに送ることになります。そして、そのプレスリリースを受け取ったメディアに記者が内容に興味を持てば記事にしてくれます。記者が記事を書くためにより深い情報を得たい場合は、皆さんの会社に電話で問い合わせたり、会社に訪問してプレスリリースの中身について質問します。これを取材と呼びます。
そうです、メディアから取材をたくさん受けている会社は、プレスリリースを上手に活用しているとも言えます。
プレスリリースを送った後、記事になるまでの時間はメディアの種類によって異なります。新聞やインターネットメディアであれば、翌日に記事が掲載されることが多いですし、雑誌やテレビでは2~3カ月後になることもあります。なぜならば、雑誌やテレビは毎日情報を発信している訳ではなく、それぞれのメディアの編集部が、特集や企画を数か月前から練っていますので情報を受け取ってから、実際に雑誌やテレビで特集されるまでには時間がかかります。
また、プレスリリースを送って記事にならなくても、がっかりする必要はありません。送ったプレスリリースは確実にメディアに渡っていますので、メディアが皆さんの業界や技術などに関する特集を企画するタイミングで、皆さんの送ったプレスリリースを思い出して採り上げてくれることもあります。
更に最近では、インターネットを中心にメディアがニッチ化(ある業界に特化)しており、皆さんのご存知の通り、数えきれないほどの大小のメディア(ポータルサイト)が存在していますので、どこかのメディアには必ず掲載されます。
実は、インターネット上に皆さんの会社のプレスリリースが掲載されることは、営業上の大きなメリットがあります。
例えば、メーカーがある製品を製造できる技術や工場を持っている会社を探す場合、関係者に聞くという方法もありますが、インターネットで探したい技術や工場、製品名などのキーワードでyahoo!やgoogleなどの検索エンジンで探すと思います。
その時にプレスリリースがインターネット上のメディアに掲載されていると、検索したキーワードが皆さんのプレスリリースに入っていると検索表示されて、メーカー担当者の目にとまります。
また、メディアの記者も同じように、特集企画に向けた情報収集の際に自分が追っかけているキーワードでインターネット検索をします。そこで、皆さんのプレスリリースが記者の目にとまれば、新たな取材に発生することもあります。
このようにプレスリリースの効果は宣伝広告のように一時的な効果だけではなく、半永久的に表れるものなのです。
いかがでしょうか。広報の第一歩はプレスリリースを書いてメディアに送ることであることはご理解頂けたのではないかと思います。
プレスリリースを送ることで、様々なメディアに自分の会社の情報が掲載され、他のメディアの記者や取引先、業界関係者、銀行融資担当者等の多くの方の自社を効果的にアピールすることができます。
次章以降では、プレスリリースの書き方や送り方などの具体的な広報業務の実務に関する解説と、皆さんのプレスリリースが少しでも多くのメディアに興味を持ってもらうためのちょっとした工夫について、解説して参ります。