ドイモイ政策によって、ベトナムは様々な産業がどんどん立ち上がっていくことになりますが、特筆すべきは、外資系企業の誘致です。
特に日系企業の誘致は目を見張るものがあり、メーカーでいうとホンダベトナム、トヨタベトナム、キヤノンベトナム、ブラザーベトナム、パナソニックベトナム、など、二輪、四輪、OA機器、家電など、そうそうたるプレイヤーが続々と進出を遂げました。
ベトナム進出日系メーカー例: ホンダベトナム
メーカーにとっての魅力は低賃金であり、部材の調達も最初は多くの品目で輸入を前提としていましたが、少しずつ現地調達を実現していきました。
この、現地調達の動きは、メーカーの進出に伴い進出を果たした日系サプライヤーにとっては脅威であり、現地ローカル企業にとっては追い風でした。 ローカル企業の中には、ホンダベトナムの現調化の波に乗り、急激な成長を遂げた会社も何社もいます。“ベトナミーズ・ドリーム”です。
(以下に紹介するのは、ベトナミーズ・ドリームをつかんだローカル企業、COSMOS社です。画像をクリックするとYoutube動画が再生されますので、是非ご覧ください。)
ローカルサプライヤーの例: COSMOS 短期間で夢のような成長を遂げたプレスメーカー。
このような流れにより、ベトナムは二輪の生産台数で最盛期430万台級になるまでに成長しました。当然、日系サプライヤーもローカルサプライヤーも数多くの部品の供給をしています。
産業例 : グラフ ベトナム二輪生産台数推移
出典:ベトナム統計総局/関税総局のデータよりNCネットワークベトナムが編集
さて多くの企業がベトナムにおいて生産を開始することでベトナムは輸出が増えました。その代わり、原材料や部材の輸入も増え、結果的に継続した貿易赤字構造に直面し続けました。(原材料、電子部品、金型、etcの輸入)
当然、輸出額に対する日本企業の貢献もものすごいものがありますが、最後の最後、ベトナムの貿易収支を黒字転換へのひと押しを実現したのは、韓国勢の携帯電話でした。
2010年代以降の流れはまた次回!お楽しみに。
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