飲料業界のグローバルメーカー
持続可能な成長を目指して事業を展開
サントリーペプシコビバレッジ(タイランド)は、サントリーおよびペプシコブランドとして人気のペプシ、ミリンダ、セブンアップ、リプトン、ゲータレード、アクアフィーナなどの製造・販売を行っている。同社は「Growing for Good」というビジョンのもと、環境負荷の低減と完全自動化による生産能力の向上、持続可能な成長を目指して事業を展開している。
写真左:完全自動化により生産力アップ / 写真右:LEED認証を受けたグリーンファクトリー
同社のサプライチェーン・ディレクターであるペルムサック・クライソンポーン氏は次のように語る。
「当社は循環型社会の実現に向けて、不断の技術革新により原材料・エネルギーなどの3R(リデュース‐リユース‐リサイクル)の原則を堅持しています。容器包装においては、ペットボトルのさらなる軽量化、ガラスびん・紙容器等での軽量化、樹脂ラベル・紙ラベル・段ボールでの軽量化(リデュース)を実現し、リターナブルびんシステムの維持(リユース)、リペットボトルの活用(リサイクル)も徹底しています。目標は、2025年から2030年までに、100%リサイクル可能な、堆肥化可能または生分解性のあるパッケージに切り替えることです」
同社は飲料工場向けにドイツ製の最新式の機械を取り入れ、完全自動化による生産管理を実現した。最大800本/分の生産能力を持ち、生産工程全体をクローズドシステムで行う。ペットボトルの成形、最新技術を駆使した飲料の混合、キャッピング、ラベル貼り、包装などを世界トップクラスの食品安全基準を持つ工場で行い、消費者にサントリーペプシコの飲料が100%クリーンで安全なものであることを保証する。
写真左:水の浄化装置 / 写真右:タイでも人気のペプシ
同社の工場では、屋根には熱を吸収する素材を使用し、照明には自然光の強さによって自動消灯するエネルギー効率の高いLED照明を導入している。また、エネルギーと水の効率に焦点を当てたインライン技術を設置し、ソーラーパネルの設置など近代的な技術の使用と相まって、電力消費量は前年比14%減少、水資源使用量は35%減少した。
こうした取り組みの結果、同工場は環境を守ることができる「グリーン工場」として認められ、グリーンビルディング認証であるLEEDのシルバー認証を受けた。LEEDは建物の省エネ性能、設計、建設、運営を評価するアメリカ有数のプログラムで、世界160カ国以上の国々で採用されている。
写真左:社内でも廃棄物の分別を徹底している / 写真右:社内は隅々まで清潔に保たれている
同社は現在、タイ国内にラヨーン工場とサラブリ工場の2つの工場をもち、前者では9本の生産ライン、後者では4本の生産ラインが稼働している。さらに、将来的に消費者のニーズを満たすため、工場拡張用として15億バーツの予算を用意している
写真:工場はラヨーン県とサラブリ県にある