皆さんこんにちは。NCネットワーク名古屋の大谷です。
先日、創業5年の成形屋さんへ訪問してきました。
社長さんも、5名いらっしゃる社員さんも若く、とても元気のある会社でした。
AI系のスタートアップもいいのですが、ものづくりで起業する会社が、もっと活躍できる日本になるといいなぁと思いました。
さて、今日は前回に引き続き、自社の強みを明確にする!をお届けします。
ただただ漠然と強みを考えるのではなく、強みの2S を行うことをお勧めします。
強みの2Sとは・・・、
整理: 必要なものと不必要なものを決める。
整頓: 必要なものをいつでもどこでも誰でも取り出せるようにする。
それでは、2Sを進める具体的な方法を見ていきましょう。
1、QCDを整理する。
製造業に関わるキーワードに「QCD」というものがあります。(説明不要ですよね?(^-^;))
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まずは、Q:qualityから考えてみましょう。
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とある加工メーカーさんとの会話
社長「うちは技術力じゃ負けない!」
大谷「どんな技術力があるのですか?」
社長「うちは難しい加工しかやらん!」
大谷「加工精度は?」
社長「5ミクロンは当たり前だぞ」
大谷「すごい!ちなみに、寸法公差ですか!幾何公差ですか?」
社長「寸法精度も幾何公差も。研磨も社内でやる。」
大谷「円筒研削盤も平面研削盤も縦型研磨、プロファイルもお持ちですもんね。ではまず丸物でお聞きしたいのですが、真円度や円筒度、同芯度、同軸度、あとシャフト系の振れ精度で言うとどうでしょうか?」
社長「真円度、円筒度、同軸度、同芯度も±2ミクロンの製品実績がある。」
大谷「素晴らしいですね。ちなみに対応している素材はなんですか?」
社長「アルミも鉄も、ステンレスもチタンもなんでも削るぞ」
大谷「すごいですね。アルミは研磨が難しいと思いますが、同様に2ミクロン公差に対応していますか?」
社長「アルミも対応してるぞ。樹脂と銅、銅合金以外なら、だいたいなんでも削れる」
大谷「インコネルやハステロイ、マグネシウムも?」
社長「マグネは火が出るからあんまりやりたくないけど、やれと言われればやるぞ。そういえばこの前CFRPの加工もやったなぁ」
大谷「角物も同様に?」
社長「角物も同じだ」
大谷「対応しているワークサイズは?丸物の最小と最大、角物も同様に教えてください」
社長「丸はφ10〜φ500、角は10×10〜300×300」
大谷「ロット数は何個から何個まで?」
社長「うちは単品ものばっかり。量産はやらん」
大谷「具体的な数字で言うと」
社長「1個から多くても100個。ほとんどが単品の仕事だ。」
さて、こちらの会社さんにはどんな技術力があるのでしょうか?
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技術力を分析してみましょう
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先ほどの会話の内容を整理してみると、
1、加工精度± 2ミクロンの実績がある
2、難削材(チタン、インコネル、CFRPなど)の対応可(しかもチャレンジ精神がある)
3、単品(1個)に強い
4、加工から研磨まで1社完結
5、丸物、角物のバランスが良く、小物〜中物サイズに対応
に整理でき、一言で技術力と言っても、以下のような切り口が見つかります。
加工精度
素材
ロット数
要素技術
形状及びサイズ
こうしたキーワードを細分化して掘り下げることで、その会社の特徴を引き出すことができます。
さらに、今まで取引をしてきた業界の情報をかけ合わせることで、品質や納期、価格、生産技術力、管理能力などの強みに波及していきます。
是非みなさんも強みの2Sを行い、自社の技術力の分析、深掘りをしてみてください。
今日はこの辺りで。次回も引き続き自社の強みを明確にする!をお届けします。
【過去記事を読む】
「成果が出るサイトの作り方」はこちら。
「自社の強みを明確にする その1」はこちら。