第4回のテーマは「業務フロー図」を作成することによって、効果的に品質保証システムを構築するためのポイントをお届けします。
「業務フロー図」とは、業務の流れや仕事の手順などを進行順に図で表したものを言います。
目に見えやすい状態を作っていくことは、効率化の第一歩であり、そのツールとなるのが「業務フロー図」です。
「業務フロー図」を用いて業務の流れを整理すると、誰が(どの部門が)何を行って、誰と(どの部門と)どんな関連があるのか、また、その業務がどんなふうに流れて行くのかが一目瞭然となります。文書を用いて業務の流れを説明するより、わかりやすさは倍増します。ISOの要求項目を満たすための手順もフロー図で作成していくと、難解な要求項目の理解も楽になります。
実際に、コンサルの現場において、「業務フロー図」を用いたことによって、クライアントの理解がよりスムーズになり、認証取得活動の効率がアップしています。
「業務フロー図」を作成していると、なぜこの業務は、この人が(この部門が)行って、他の人は(他の部門は)行わないのか、また、もっと業務の流れを簡素化できないのか等、いろいろと疑問点が生じてきます。
「業務フロー図」の作成は各部門との関わりを意識してフロー図を作成していきますので、各人(各部門)の責任と権限がハッキリし、今まで見えていなかった問題点を顕在化させます。
効果的な品質システムの運用を図るためには、手順書の作成が必要となってきますが、手順書は、全てを文章のみで埋める必要はまったくありません。
手順書の作成と言うと、細かい業務の流れや、いろいろなケースを想定した記述の文章化を連想しがちです。手順書は始めて業務につく人が、どんな点に気をつけたらよいのかがわかれば良いのであって、「業務フロー図」の作成は非常に有効です。
分厚くてわかりづらい手順書よりも、薄くてわかりやすい手順書のほうが、利便性が高いのは明らかであって、手順書に「業務フロー図」を用いることは極めて実用的であるといえます。