第1回目である11月のテーマはISO9000sがなぜ今、「ホットなテーマ」になっているのか、その背景を探って行きたいと思います。
本講座をご一読されて、「なるほど」と思われるか「ウチには関係ないよ」と思われるかは読者のご判断に委ねることになりますが、少なくともISO9000シリーズが今中小製造業のあいだでホットなテーマになっている事実だけはご認識ください!!
建設省は平成12年度からISO9000sの取得を公共工事の入札条件に加える方針です。また欧米企業との取引で入札条件の場合が多いのです。
ISO9000s取得が条件という建設省の方針は、公共工事に参加するスーパーゼネコンだけでなく、協力会社や下請業者なども上位から同様に品質の仕組み作りを要求されることにより、そのビジネスに参加しようとする企業全てに影響しております。
ISO9000sを取得していない企業は、その選別のふるいにかけられ脱落していく厳しい時代がすぐそこまで迫って来ています。
大手企業や親企業は下請企業の選別条件としてISO9000s/14000sの認証取得を積極的に取り入れつつあります。
これまで日本の取引慣行として定着していた長期の信頼関係による取引だけでは通用しない時代に入ってきました。
一般の消費者にもISO9000sやISO14000 sが浸透してきています。
最近では非製造業の会社までもがISO9000Sの認証取したことを積極的にテレビCMなどでPRをしています。
一般の消費者にもその重要性がだんだん認知され出しています。
PL(製造物責任)法の防衛策としてISO9000sが有効だということがかなり以前から指摘されていました。最近では ISO14000sも含め認証を取得した企業の賠償責任保険料を特別割引する新サービスが登場するなど企業の格付けや良い企業の評価尺度になってきています。
銀行や大手損害保険会社もISO9000sやISO14000Sの有効性・実効性を認知し、その企業の格付けや融資のための評価指標として活用し出しています。この傾向は中小製造業の評価尺度にも影響してくることでしょう。
さらに、最近の新聞紙上のニュースを思い出してください。
原因:職員が手順通りに作業を行わなかったといわれておりますが‥‥‥
ISOの世界では⇒作業手順を明確にし文書化してその通り実行することが要求されます。
もしあの事業所がISO9000sを導入していたら防げていたのでは‥‥‥
原因:事業者金融会社側に契約書記載以外の行為がなされたと言われておりますが ‥‥‥
ISOの世界では⇒契約内容を確認する手順を設定しその記録を保存することが要求されます。
もしこのケースでISO9000sを取ってキチンと手順に従って仕事を進めていたのならば、こうした事故や裁判を未然に防げたかもしれません!!
以上の述べたように、最近のニュースからでも、なぜ今、ISO9000がホットなテーマなのかお分かり頂けたかと思います。