新規取引先の開拓で、海外に目を向ける方も多いと思います。
生産拠点の海外移転ではなく、海外に販売先を求める場合や、よい品質のものを調達したい場合には、実際のところ、どのようなことに気をつけたらいいのか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
A:扱う製品によります。単体で完成品として販売ができる物、例えばモーターなどは販売代理店を立てることで、製品を輸出する方法があります。
ですが、図面や仕様書を元にした量産部品の場合は、一部の高付加価値品を除き、現地法人(工場)がある事が取引の前提になる事が多いです。これは、メーカーがコストだけではなく、デリバリー面でのリスクを避ける傾向があるためです。
A:直接の取引実績は無くても大丈夫です。
「どのメーカー」「どんな製品」といった実績の方が大事です。
実は皆さんは知らず知らずのうちに海外企業と取引をしています。
自社で製造した部品が組み合わされ、日本から海外に届けられている事も多いです。
A:面接が一番大事です。「優秀」をどのように捉えるかによりますが、経歴を鵜呑みにせずに、求めるスキルに関しては簡単なテストを実施しても良いと思います。海外で企業が直面する問題の多くは「人材」に関わるものです。人材及び教育に、組織づくりに関しては、製造工程づくりよりも、明確かつ緻密な計画を作って望むのが最善です。
A:現地の祝祭日、宗教行事、習慣をまずは理解することが最初の一歩です。その上で何が一番喜ばれるのかを、従業員の家族単位で考えます。海外、特にアジアで働く人は、家族の会社に対する印象が、本人の会社に対する考え方に影響する割合が、日本に比べて格段に高くなります。
A:財務状況については、 与信調査を専門に行う会社があります。予算は3万円/社くらいからですので、大きな新規取引の場合は、実施した方が良いです。ご自身で現地の取引相手の会社に出向いて、根掘り葉掘り聞く事は相手に嫌がられますし、コストも時間も余計にかかります。
→ もっと詳しく「調査ページ」へ
工場設備は、相手の会社から、メーカー名、型式、年式、写真等を送ってもらいましょう。
A:準備も出来ていない者にいきなり「行け」といっても、すんなり納得する事はないでしょう。まずは短期間の出張からはじめてはいかがでしょうか。日本にいると、海外のネガティブな情報に触れる事も多いので、まずは現地の本当の現状を見てもらう事が先だと思います。 あと、採用時点で、海外へ行くことも想定した採用条件を設定しておくのも大事です。海外で働きたい、という人材は若者にも意外にいます。
最後には待遇がものを言います。チャレンジする者にはそれなりの見返りを与えてあげてください。