所在地 |
〒152-0002 東京都目黒区目黒本町5丁目9番3号 |
---|---|
TEL |
0295-53-2109 |
FAX |
0295-53-1228 |
URL |
http://www.nogami-gk.co.jp/ |
主要三品目 |
・超精密治工具設計製作 |
野上良太氏は1989年4月、専務として野上技研に入社した。少年時代から現場で研磨作業を行い、東海大学に通う3年生からはモールド金型の会社で修業を始め、講義が少なくなった4年次には週4日現場で働いていた。入社の2年前に現在の茨城県常陸大宮市に新工場を竣工、入社直後に専務に任命され茨城工場の改革を任された。
「入社して思ったのは、このままでは潰れるということでした」。経験のない自分をいきなり専務にすることや、社員らは無駄話に花を咲かせ生産性が上がらない。野上氏はまず、社則もない職場にルールをつくるところから始めた。この時、社員は茨城工場15名、本社8名。年商はは2億円であった。
茨城工場では、受注先90%一社依存を打開するため、モールド金型加工を新事業として展開する予定であった。それで、野上氏もモールド金型の会社で修業していたのだ。そんな時、欧州への加工視察団に加わる機会を得た。経験豊富な経営者ばかりのなか、目の当たりにした欧州製プレス機の優れた動きに魅せられてしまった。たまたま社内にプレス経験者もいる。さらには友人の結婚式で再会した付属高校からの同級生がプレス加工会社の息子で、「出入りの金型屋が心もとないから助けてくれ」と泣きつかれたのが決定打となり、「プレスをやりたい」と父に伝えた。「そもそもうちの技術のコアは“抜き”と“曲げ”の刃物加工。これなら後発でも勝負できると考えたんです」
2006年1月、野上氏は社長に就任。プレスの受注が落ち始めた頃に「NCネットワークの内原社長から、ブランディングについてアドバイススをいただきました」。
行ったことはソリューション。現在では、ランディングページに月に50~60件の問い合わせがある(うち海外2割)。その中で生まれたのが、ハンドパンチである。コイン電池の打ち抜きに用いられるため、客先の要望に応じて、1μm単位でオーダー製作する。
さらに同社は「打ち抜き/切断加工技術研究センター(打ち抜き切断ラボ)」を開設。厚さ10μm以下の極薄の金属箔や樹脂フィルムなどの軟素材、複数の素材を積層した材料、粒子状の物質を塗工した材料など、加工が困難な材料を精密に打ち抜き/切断する技術を追求する中で、同社の技術がもっとも求められるのが電極の打ち抜きであった。ブランディングからマーケティングへ。「電池材料加工技術研究センター」とラボ名を変え、電極をつくるための活物質を塗るツール、可変式塗工アプリケーターを開発した。「今後もソリューションの中からニーズと技術を商品化していきます」。そして現在、社員は50名。年商は8億円である。