株式会社セイロジャパン
■ 会社概要と強み
弊社は、プレス用金型設計・製作から量産に向けた試作までを対応している会社です。顧客が安心して使える金型にするためのVA/VE提案ができることが強みです。また、一般的にはしわや割れが発生してしまうような形状でも、独自のノウハウでそれが起こらないような金型工程設定が可能です。
顧客は、自動車や住宅部材の企業が多く、今では製品設計の段階から生産工程立ち上げのためのご相談が舞い込む「プレス加工の駆け込み寺」の役割を果たしています。
■ 生き残るために他社との差別化を
本格的に3D設計支援ソフトの活用を始めたのは2008年です。リーマンショックで不景気になって以来、だんだんと金型の仕事が減ってきて、今後もどうなっていくかが見えないなか、仕事を確実に取っていくためには他社と同じことをやっていても、生き残ることはできないと考えました。
Cimatron自体は2004年から導入していましたが、当時は2DCADで構造設計を行った後、 Cimatronで曲面設計を行っていました。同業他社でも3Dで構造設計を行っている会社は少ない状況でしたし、何より曲面が増え複雑化する顧客ニーズに対応するには、2D設計では限界が見え始めていたこともあり、「他社と差別化するためには3D設計の力が必要」と考え、3D設計専用ソフトの導入を決めました。
■ これまでのやり方を大きく変更
展示会やインターネット検索、付き合いのある商社から情報をもらいながら、Cimatronを含めたいくつかの候補をピックアップしました。 実際にデモも受けましたが、なかでも当時既にプレス金型用に特化した3D設計機能を備えていたCimatronは、動作もスムーズで、使い慣れていたこともあり導入を決めました
3D設計を本格的に行うにあたっては、設計者の考え方を大きく変える必要がありましたので、導入当初はセイロジャパンさんのレクチャーを受けながら、ソフトの使い方や設計時の考え方を学ぶ日々が続きました。
■ 3DCAD/CAM+プレス成形シミュレーションで工数50%削減
Cimatronに加えて、2013年にP-form(プレス成形シミュレーションソフト)を導入したことで、設計から試作完了までの工数は導入前の50%まで削減できています。
ソフトの力で工数が半分に
元々プレス用の金型は、設計→トライ→設計変更→トライといった試行錯誤の繰り返しが当たり前だったのですが、3D設計と解析ソフトで得られるデータのおかげで、金型を作る前にミスや不具合に気付くことができるようになり、設計変更の回数が大幅に減りました。2Dで構造設計していたころによく発生していたポカミスも減ったことで、金型修正にかかるコストも削減できています。
金型修正の回数も削減に成功
また、Cimatronビューワーを加工現場に導入したことで、金型加工時に作業員が紙の図面を触ることがなくなりましたし、顧客との打合せ時にも使用していますので、社内の様々な場所でペーパーレス化を実現できています。
■ 標準化と人員の強化で強い企業へ
フル3Dを使った設計体制の構築はできましたが、設計者の業務範囲は大きく変わったと同時に、やることも増えています。対応能力を上げていくという意味では、設計人員の拡充を進めると共に設計工程の負担軽減のために、ユニットの標準化や工程改善に取り組んでいます。
人材育成の観点では、ジョブロテーションを実施しており、社員全員のスキルアップと多能工化を進めています。
最終的に会社を支えるのは人であるのは変わりませんが、人を支えるためのソフトはこれからもしっかり活用していきたいです。
理想としてはソフトで蓄積されたデータにノウハウを上乗せすることで、顧客がより安心して頼れる金型企業を作り上げていければと考えています。
企業名:株式会社伊吹機械
住 所:滋賀県長浜市 湖北町山脇1382
U R L :https://www.ibuki-m.co.jp
創 業:1977年
事業内容:量各種プレス用金型の設計・製作、金型組込機械装置の設計製造
プロフィール:各種プレス用金型の設計・製作、金型組込機械装置の設計製造、大型部品の加工等を手掛ける企業。金型試作段階からのVA/VE提案が可能
Cimatronの製品情報
▶︎ https://www.saeilo.co.jp/products/cimatron.html