株式会社セイロジャパン
■ 材料屋から機械加工に参入
伊藤社長:当社は、もともと材料屋です。黒皮付きの素材をカットして納品するのが主業務でしたが、納品先の要望により、面削加工を行うようになりました。
材料だけだとどうしても価格競争になってしまうので、差別化を図りたいと思っていた時に、リーマンショックの影響で協力企業が廃業してしまい、DMG森精機とヤマザキマザックのマシニングセンタとそれを扱えるオペレータ、そして業務を引き継ぐかたちで機械加工を始めました。
また、本格的に機械加工を始める前から、社内に図面を読めるメンバーがいたことは、スタートアップがスムーズにいった大きな要因でした。
■ 3軸加工機導入でCAMも新しく
伊藤社長:当社の取引先は毎月100社以上あり、売上トップの企業でも売上全体の1割に満たないという独立系企業としてやっています。
また顧客からの依頼内容も、金型であればプレス用や射出成形用と多岐にわたるため、求められる精度もそれぞれ違いますが、こうした要求に幅広く対応しています。さらに最近では、単なる穴あけではなくポケット状のものなど、加工要件の難易度が上がってきています。
最初に導入したマシニングセンタは2.5軸対応で、GibbsCAMを使用していましたが、同時3軸加工が可能な新型を導入するにあたり、CAMも見直すことにしました。
■ 部品加工+形状加工=GO2cam
柳沢課長:社長から、使い勝手の良さそうなCAMを見てきなさいと言われ、2016年のインターモールド大阪に行きました。そこで何社か説明を聞き、そのうち3社の方には、実際に会社まで来てもらって打ち合わせをしました。その中の1社がセイロジャパンさんでした。
来社された方は、みなさんソリッドモデリングありきのプレゼンで、セイロジャパンさんも最初はCimatronを勧めてくれました。
いずれもよいソフトのため、どれを選ぶべきか迷っていた時、セイロジャパンの営業担当の方から、「やりたいことは形状加工だけなのか。部品加工が主力で、それに特化したかったら、GO2camの方があっているかもしれない。よその会社の導入事例を見に行ってみませんか」と勧めてもらいました。
見学先は京都のHILLTOP株式会社で、中小企業でありながらも、先進的な工場を作り上げておられ、とても感銘を受けました。そして、自分たちがやりたいことと、作業や管理のイメージがとても明確になり、GO2camに決めました。2016年のことです。
■ 操作が直感的。若手でもすぐ使える
柳沢課長:まず、画面の操作アイコンが非常にシンプルで、直感的に操作できる点をとても気に入っています。それに、オペレーションリストが非常に使いやすいです。一度作成した工程を登録しておけば、再利用時にすぐ呼び出せ、加工条件の選定に必要な時間が大幅に削減できました。
オペレーションリストは、顧客ごとにフォルダ管理をしており、社内で「ノウハウの共有」と「見える化」ができました。いまは、私だけでなく若手2人も作業できるようになっています。彼らは、まるでゲーム感覚で楽しんで使っています。
また、面粗度やアプローチ、送りなどでわかりやすくファイルしておけば、様々な加工データを比較しやすく、結果ノウハウも積みやすいという好循環が生まれています。
■ 金型部品加工のためにCimatronも導入
伊藤社長:縦型と横型のマシニングセンタ、そしてワイヤーカット放電加工機も導入しました。
また、当社にはNC研磨機や三次元測定機もありますので、より精度要求が高い金型用部品にも応える体制が整ってきました。それに伴い、2017年にはCimatronも導入しました。
いまは、GO2camが力を発揮する加工が全体の9割を占めていますが、今後は金型に関する知識を深め、さらに難しいものに挑戦し、徐々に営業形態を変えていきたいと思います。
確かに若手の採用は難しくなっていますし、市場の状況は厳しいです。でも、やること、できることは増えています。これからも取引先から頼ってもらえるように、頑張っていきたいと思います。
企業名:株式会社伊藤ハガネ
住 所:愛知県名古屋市中川区福川町3-1
U R L :http://www.ito-hagane.net/
創 業:昭和4年9月
事業内容:素材調達、部品制作、熱処理・表面処理、鍛造
プロフィール:特殊鋼流通を通じて、日本のものづくりを支える素材屋。SS材から、アルミ・ステンレス・難加工材まで、小ロット、短サイクル納期で対応している。単なる素材屋にとどまらず、単純な加工から高精度・複雑加工、サイズも小物から大物までと、顧客の要求に幅広く応えている。
エミダス会員番号:92790
GO2camの製品情報
▶︎ https://www.saeilo.co.jp/products/go2cam.html