町に新たな光が灯った。
2011年4月に通行止めとなった国道114号線は、
東日本大震災で甚大な被害を被った、福島県双葉郡浪江町の中心を東西に走り、
浪江町から福島市へとつながる道。
2017年9月、6年半ぶりに帰還困難区域内の通行止めは解除され、
全線で一般車両の通行が再開しました。
そして、2019年3月、
国道を照らす新たなシンボルとして「THE REBORN LIGHT」が
浪江町に寄贈・設置されました。
この街灯に使われているのは、
電気自動車のリユースバッテリーと、リサイクルスチール。
走る役目を終えた電気自動車の高性能バッテリーが、生まれ変わり再利用されています。
昼のあいだに、太陽光で発電したエネルギーを、
夜、道路を照らす明かりとして利用し、
発電所や送電インフラに頼らない完全独立電源街路灯として、町と道路を照らす。
日本のものづくりの技術や心は、
こんなところにも繋がり、活かされているんですね。
▶︎ 「THE REBORN LIGHT」公式サイト
このプロジェクトを推進したのは、MIRAI-LABO株式会社(東京都八王子市)。
「環境主義」を企業理念とし、
常識を覆す省エネ技術の提供を通じて、100年後を見据えた地球環境創りに貢献しています。
▶︎ MIRAI-LABO株式会社 ホームページ
当社は、2006年の創業当時、「ほたるの里」を復活させるために、
独自のバイオテクノロジー技術と水循環システムによって、汚染された水と大地を浄化し、
再生した自然環境によりホタルが飛翔する環境を再現しました。
しかし、話題になると人も訪れるようになり、夜間の安全のために防犯灯が設置される。
そうすると、その光にホタルが集まり、街灯の熱でホタルが死んでしまう。。。
当時の明かりには、紫外線を発するものしかなかったため、
「ホタルと人の共存」をテーマに、「高効率リフレクター」(特許取得)を開発。
熱をもたないため、街灯に触れたホタルが傷つくこともなくなりました。
このリフレクターは、その後、様々なところに使われるようになり、小型化も進み、
多用途LEDライト「MiLED miniⅢ」、充電式特殊LED投光器「X-teraso」といった商品群がうまれました。
このほか、このライトの技術は、手術室の無影灯にも使用されているのだそうです。
充電式特殊LED投光器、災害の被災地などの電源が確保できない土地でも利用可能となり、
自治体や警視庁の全機動隊、電力会社等での導入も進んでいます。
▶︎ 「充電式特殊LED投光器」公式サイト
そのほか、無瞬断でバッテリー詰め替え交換ができるバッテリー式発電機を開発。
この「G-CROSS」は、電力を継続供給できる世界初の電源装置で、
従来のガソリン式発電機に比べて優れた点も多く、例えば、
・一度に4つのバッテリーを積むことができ、かつ残量が少ないものから先に使う。
・現在使用しているバッテリーの残量がわずかになったので、箱の蓋を開けて取り出しても、
電力の供給は途切れることなく、無瞬断で次に残量が少ないバッテリーへと出力が切り替わる。
・1つのバッテリーは、100wで約10時間出力でき、充電は約3時間/個であるため、
4つのバッテリーでも十分に連続して使用が可能。
・素手でバッテリーの端子を触っても感電せず、雨水にさらされても漏電しないので、
悪天候でも持ち運びできる。
などなど、多くの優れた技術が認められ、
「JECAFAIR 2018 中小企業庁長官賞」や
2018年世界発信コンペティション「東京都ベンチャー技術特別賞」等も受賞しました。
現在は、被災地等での利用のほか、通信会社やメディアの移動基地などでも
利用が進んでいるそうです。
▶︎ 「リフィルバッテリー式発電機」 公式サイト
また最新情報としては、現在、路面発電舗装の研究・実用化が進められており、
これまでの発電と蓄電の概念を大きく覆す新技術が、
まもなく日本の道路にお目見えすることになりそうです!
しかし、この研究開発力、そして商品化できる力に脱帽します。
この先も、MIRAI-LABO株式会社の挑戦から目が離せませんね!
▶︎ MIRAI-LABO株式会社 ホームページ