続けることで認知度をアップ

株式会社大田鋳造所

O-Cast Thai Co., Ltd. / CASTEMA HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.

企業概要

船舶のエンジンとプロペラを繋ぐ中間軸受けなど、大きいと50tにもなる鋳物を短納期・高品質で供給。設計・木型製作・鋳物製作・熱処理・機械加工・塗装・組立までを一貫生産で行う点が強さの源泉である。鋳物製造の他に、流動シミュレーション、デジタイザー測定、材質分析等のサービスも行う。

海外戦略

創業80周年を迎えた翌2004年、顧客のグローバル調達のニーズに応えるために、同社としては海外初の法人となる機械加工会社「O-Cast Thai Co., Ltd.」をタイに設立。機械加工、板金加工、鋳物調達、組立までを行う。

主に、船舶機械部品、印刷機械部品、射出成型機部品、製鉄機械部品、工作機械部品、ワイヤボンダ部品の加工を行い、生産設備には、五面加工機、門型マシニングセンタ、NC旋盤、立型マシニングセンタ、ショットブラストを揃えている。

その後、2016年には、タイに鋳造会社「CASTEMA HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.」を設立。日本本社の熟練の技術を移管することによって、タイにおいても日本と同様に、鋳物から加工まで一貫して生産を行うことが可能となった。

印刷機械、船舶機械、工作機械、射出成型機、製鉄機械、輸送機械、発電機械、圧縮機械の鋳物部品を製造している。
生産能力は、400ｔ/月（最大製品5ｔ、最小製品10kg）。鋳造プロセスは、自硬性フラン樹脂鋳型である。

2018年は、タイから日本への輸送量がコンテナ5本/月だったが、2019年には6〜7本/月になる予定だ。

Mfairの活用

2017年から2年連続でMfairに出展。

株式会社大田鋳造所
代表取締役　大田喜穗氏のコメント

2017年に初めて出展しましたが、それから1年以上も経ってから、「まだやっていたらお願いしたい」という連絡が来ました。もちろん日本での取引はなく、初めてのお客様です。その企業は、それまでローカル企業と取引していましたが、日本と同じ品質を出すために苦労していたそうです。

たとえ海外であっても、取引先が日系であれば、日本と同じもの、同じ品質が必要となります。当社では日本人を常駐させているので、仕様の確認から、後工程の加工まで、日本語で対応が可能ですし、日本国内と同じように製造プロセスを一貫して引き受けられるのが強みです。

今後、タイで必要とされるものづくりは、品数が増え、求められる品質も向上します。そうしたときに、当社を思い出してもらえるように、今後もMfairには継続して出展し、認知度を上げていきたいと考えています。

もちろん、タイ人と信頼関係を築けることが大前提ですが、日本人が海外に進出した時、いかに正確な情報を入手できるかが大切です。大手とは違い、中小企業は人員に限りがありますし、調査などにかけられる予算も限られています。

例えば、あの工業団地はインフラがしっかりしているといった業務に直結する情報や、日本とタイの税金の違い、また家族の生活に関係する情報などを入手できれば、海外であっても、みんなが安心して前向きに仕事に取り組めます。肌感覚として、タイは民主的な軍事政権となってから、各種手続きなどもクリーンになったと思います。

本当の情報を入手するために、日系の現地の情報誌は種類が豊富で、かついろいろなテーマを取り上げて欲しいです。また、一度に多くの人に会えるMfairなどでの人脈づくりも大切ですので、Mfairへの出展は続ける予定です。この先は、製造業だけではなく、いろいろな業種の会社がバンコクに集まってくることを期待しています。