特集:鋳造・ダイカスト
KIMURAグループは、静岡県東部の清水町に本社、伊豆の国市に先端プロセス技術センター、御前崎市と群馬県太田市に鋳造の主力工場、米国インディアナ州に工場を構える。創業の1927年から鋳物道を一直線に突っ走ってきた。現社長の木村寿利氏は、リーマンショック後の2011年に4代目を引き継いだ。先代の木村博彦氏が、フルモールド鋳造法を確立、3Dデータを利用した鋳物業界最先端のDX化を確立した後、現社長は継承し、さらに発展を続けている。
「鋳物づくりだけにこだわらず、鋳物をつくる際に培ってきた技術でかたちをつくる、というところにこだわって今後は発展を続けていきます」と木村社長は語る。
木村社長は、リーマンショック後、顧客の創造で開拓を行った。従来のユーザーであった自動車業界を中心としたプレス金型や工作機械から、インフラ、産業用機械など多方面の開拓を行った。「日本では鋳物の総生産量が減りました。そこで、我々は、鋳物を製造する過程の技術に注目して、ビジネスを立ち上げています」と木村社長。
その一環としてフルモールド鋳造法で使用する模型製作技術を利用し「キムラデザインワークス」としてビジネスを立ち上げた。販売先は、演劇、映画、アニメ、ゲームなどが中心だ。企業PR、販促物など、最大12mの発泡スチロール製作技術を活かして、短納期で造形物の提供を行う。そこから最終製品であるWeb会議用スペース「Webroom」など今後の発展が多いに期待される。
本業である鋳物分野でも、技術開発に余念がない。これまで鋳物産業で、常に最先端を走ってきた木村鋳造所。近年では、「低圧砂型鋳造によるアルミ構造部品」をドイツ
Grunewald社と提携し、製品販売を開始した。1~100個程度の複雑形状品に適しており、EV車(商用車、高級車)などへの転用が始まっている。
また米国工場も昨年操業4年目にして、黒字化を達成した。本業を見据えながら、新技術、新商品、新顧客開拓に余念がない木村鋳造所の今後の発展に注目したい。
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