特集:鋳造・ダイカスト
株式会社ニューテックは、アルミニウムとマグネシウムを用いた石膏・消失鋳造、6ナイロン注型で試作・小ロット部品を開発製造するメーカーである。これまでは、自動車関連部品を中心に製造してきた。
ニューテックの石膏・消失鋳造は金型レスで行うため短納期試作に向いている。石膏鋳造は、ダイカストと同等の精度、鋳肌での製作が可能だ。ダイカスト量産を目的とした試作品に多く使われ、少数、小ロット、試作の部品製作に適している。
消失鋳造は3Dプリンターでポリスチレンを用いて消失モデルを製作する。型枠に消失モデルをセットして石膏スラリーを流し込み、石膏型の乾燥とともに消失モデルを消失させ、その後金属を注湯する。金属が固まったら石膏でできた鋳型を壊し、仕上げを経て鋳物の完成となる。旧来の工法では3Dプリンター造形物の積層痕が鋳肌に転写されてしまうが、ニューテックでは、石膏鋳造と同レベルのきれいな鋳肌を実現している。また、機械的強度の向上も実現している。同社では、成分分析機を保有しており、既製品のインゴットだけでなく合金の化学成分の調合を行い、機械的性質をコントロールする技術も特徴の一つとなっている。
これらの製法は自動化できない部分が多い。3Dプリンター造形物を取り出す作業や、美しい鋳肌を整える仕上げ処理は、手作業となる。そこでは、熟練したスタッフが必要となる。石膏・消失鋳造の強みである複雑な造形+量産同様の鋳肌を作り出すためには、人の手と目が必要なのだ。品質管理体制も、発光分析や材質管理、接触・非接触の三次元測定機、電子顕微鏡やX線、CTやレッドチェックを活用して製品の状態を把握できている。
現在、自動車関係だけでなく船外機などのマリン関係やレース関係の受注が、伸びている。億単位の賞金が出るレースに使う船は馬力勝負だ。ほかカーボン繊維を含んだナイロン樹脂やマグネシウムの軽量なパーツがドローン関係に好評である。
今後は、消失鋳造でさらに大型のパーツの製造に取り組んでいく予定だ。砂型だと、薄型にはできず肌荒れして湯が回りにくい。消失鋳造の利点を生かして軽量化や材料削減が可能となることに着目し、開発を続けていく。同社の次なる試作・開発に期待したい。
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