特集:鋳造・ダイカスト

昭和電気鋳鋼株式会社

昭和電気鋳鋼株式会社

昭和電気鋳鋼株式会社は、群馬県高崎市に本社を構える北関東で唯一の鋳鋼メーカーだ。生産量は鋳鋼メーカーとして日本でトップ5となる。建機、鉄道、造船、工作機械など多方面の業界に製品を提供しており、解体重機部品で日本シェアトップを誇る。

鋳鋼の特徴は粘り強さにある。鉄は衝撃に弱いが鋼は伸びて衝撃に強い。鋳鋼を製造する溶解炉は、アーク炉(Max5t)と高周波誘導炉(3t)の2機があり、5kgから4000kgまで、一ヵ月約380t、7000個の製品を製造している。

昭和電気鋳鋼を率いるのは手塚加津子社長。創業家であることから、突然、鋳鋼メーカーを継ぐこととなった。2010年にはISO9001、2011年には、ISO14000を取得。また、主たる顧客であった建機メーカーの売上を徐々に減らし、依存率を20%台にしてより安定的な受注構成に整えた。昭和電気鋳鋼は日本一の鋳鋼メーカーを目指している。日本一とは生産量のことではない。日本一とは「やっぱり昭和に頼みたい」と言われる会社になることだと手塚社長は語る。鋳鋼は加工が難しく、特に仕上げは絶対に自動化できない。質の高い製品を安定して生産し続ける土台には人がある。手塚社長は社員と密にコミュニケーションを取っている。鼓舞する言葉を投げかけ、課題や目標、将来の会社像を語り企業風土を醸成してきた。凡事徹底・基本回帰を合言葉に、社員一人一人が誇りをもって仕事に取り組み成長し続けられる会社になることをめざして地道な活動を今も続けている。

将来を見据えて、5Sと同時に無駄をなくして工場の見える化を続けてきた。工場にクラウド端末を導入し、紙で行っていた生産進捗の状況をリアルタイムに把握する。これにより、より精度の高い納期回答ができるようになり、現場のリアルな情報を事務所で把握できるようにった。アナログな鋳物工場にクラウドによるデジタル化を推進し、適切な管理運用によって最適なDX化を実現したといえるだろう。

鋳鋼の主な原材料はスクラップだ。一度使った鐵資材はめぐりめぐって工場に帰ってくる。鋳造は資源をリサイクルできる最強の製造業である。鋳鋼ならではのものづくりで、業界のトップリーダーとして、今後も成長していく。

昭和電気鋳鋼株式会社

住所

〒370-1201
群馬県高崎市倉賀野町3250 番地

TEL

027-346-1725

FAX

027-347-3968

URL

https://www.showadenki-chuko.co.jp/

新規会員登録