特集:JIMTOF2022

日進工具株式会社 × 株式会社イワタツール

日進工具株式会社 × 株式会社イワタツール

4年ぶりの対面によるJIMTOF展示会開催です。出展内容や、JIMTOFへの期待は?

後藤 これまで多くの展示会に出展してきましたが、この2年間はそれが無い状態が続き、世の中がどうなっているのかとても分かりにくかったです。それが経営者としては非常に怖かったですね。今まで入ってきていた色んな情報が、コロナ禍には急に入ってこなくなり、逆説的に展示会という存在の大きさを知る機会となりました。そのうえでまず言っておきたいことは、展示会においてリアルとバーチャルの違いは大きいということです。バーチャルの場合は会話も一方通行になりやすく、聞きたいことがあっても流れてしまいがちですし、情報が伝わりにくい。それが2年前のバーチャル展示会でした。リアルでの展示会開催では、毎日何十人の方と話をしますので、会社にいると分からない情報が色々と入ってきます。肌感覚で景気が分かることは、経営者としてはとてもありがたいです。

岩田 リアルの展示会でもっとも大きな点は、ちゃんとした情報がもらえることですよね。イワタツールは中小企業にもかかわらず展示会には無理をしてでも出展していました。「費用対効果はどうなんですか?」という声もありましたが、トータルで見た時には、国内・海外を含めて、確実にやっていてよかったなと思っています。今回の展示会では3台の工作機械を出展する予定です。最近は実加工を行う出展社は減りましたが実際に現物をお見せし、バリの状況や切りくずの出方などを手に取って見ていただきます。また、コロナ禍で始めたYouTubeやSNSを用いて、リアルな展示会とバーチャルとを合わせるとどういう相乗効果があるかを実験しようと考えているところです。事前にオンラインで情報を広めて、直接お会いした際にもっと突っ込んだ話ができることを期待しています。

世界規模での戦略はどのように考えていますか?

後藤 実は、日本でも海外でも変わりません。バブル崩壊時、いろんな会社が借金を背負って倒産していった中で、日進工具もまた売上20億円、借金20億円の状態でした。そこで、得意だった小径工具に力を集中して生き残っていこうと決めたんです。それまで扱っていた工具を次々に廃番にし、小径工具中心に生産しました。ただし、当然ながら、既存の取引先や商社の方々からは様々なクレームを頂戴しました。具体的には「今は売れているのだから、突然廃盤にしなくてもいいじゃないか?」ということでした。そんなお声をいただきながらも、周囲のご理解を得ながら小径に集中していきました。

岩田 私も当時若かったので、当時は日進工具さんが何を目的とされているか分かりませんでした。売れていない製品を回収するわけではなく、売れているのに回収し始めた。不思議でした。

後藤 最初は小径工具のマーケットはそれ程ありませんでしたよ。どうやって売上を伸ばしていくかが課題でした。そこでやってきたのが、小径工具を使えるいろんな情報・技術を蓄積し、それをお客様に提案することで、お客様自らが小径工具を使えるようにするという戦略でした。たとえば当時使われていた黒電話が、スマートフォンに進化することを見越していたわけではありません。しかし20年前の段階で、家電をはじめ様々な物をどんどん小さくしていく方向にありました。いずれすべての物は小型化していくだろうという朧ろげな確信はありました。今で言う「中小企業のニッチトップ戦略」が、弊社の方向性となっています。

岩田 当時は驚きましたが、今にして思えば、うちはそれをやらなかったために失敗したと思っています(笑)。実は弊社も「これはいける!」と思えるものを見つけたことがありました。けれども既存のものを捨てられなかったために、結局、生産能力や開発能力が分散してしまい、日進工具さんのような結果が得られませんでした。捨てるものの売上比率がかなり大きかったので、止められなかったんです。悩んだ末、海外での販売比率が多い既存品は現地生産するという選択をしました。そして日本では、これから突き進んでいくものに集中していこうとなりました。

日本の製造業におけるこれからのビジョンについてお伺いしたいです。

後藤 我々のものづくりのビジョンは、Made in Japanにこだわっているところです。仙台工場メインで生産をしていますので、BCP(事業継続計画)についての課題はよく言われますが、弊社のように災害対策をしっかりやっていれば、大地震などがあっても早期復旧ができるという自負があります。実際に、東日本大震災の時も設備が大きく移動したり、壁にも数か所ヒビが入ったりなどしましたが、約1ヶ月で復旧しました。 また、生産性の観点からは、自動で大量生産をして、その中のバラつきを如何に抑えるかという事です。例えば一昼夜かけて同じ物を1000本作り続けても、1本目と1000本目を限りなく同じ形に近づけることができるようにしてきました。そのバラつきの無さが、わが社の強みです。ぜひ、うちの工具を使うメリットがあるという事を、JIMTOFに来ていただいて再認識していただきたいですね。

岩田 日本には、最先端の情報が絶対にある。それが国内でモノづくりをするメリットだと思います。3時間ほどあれば、最先端の事に取り組んでいる方に会いに行けて、母国語で話せる。これほど力強いことはありません。最新技術の工具開発にはぜひそこを突き詰め、活用していくのが大事だと思っています。

最先端の技術と、日本のモノづくりの強みに直接出会えるJIMTOFに、ぜひ足を運んでいただきたいですね。ありがとうございました。

日進工具株式会社

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