「NOUQUE」ファイルが
ドキュメントの原本と電子化を結ぶ

きっかけは、ある発明家が持ち込んだ１つのアイデアだった。その人は、設計・加工技術のほか、オリジナル商品開発に積極的な企業をインターネットで検索し、キョーワハーツを探し当てた。

NOUQUE は、二穴に差し込む金具をレバーの開閉で回転させる。ギアを使わず、現在の形に仕上げるまでに試作品は7 個。金型は最終的に4 つになった。外部のデザイナーにもレバーの造形やLOGO 制作協力を仰ぎ、社員全員で育て上げた。これまでに城南信用金庫から大型受注があったほか、テレビ番組や新聞でも取り上げられ、オフィス用文房具販売の販路にも乗った。

また、現在は新たなステージに挑戦中だ。峰光電子グループと共同で、書類の出し入れを管理する「ドキュメント・マネージメント・システム」を開発。ファイルに「RFID タグ」を貼付し、それをシステム上で管理、個人ID カードと連動させることで、いつ・誰が・どの書類を出し入れしたのかを管理用ソフトウエアで一元管理できるようになった。

　2015 年にNOUQUE が誕生してから4 年。 その知名度が上がるにつれて、既存の加工事業への相乗効果を強く感じるようになったという。「設計力があるし、エンドユーザーに届ける責任感があることも伝わる。そしてなによりもお客様のお困りごとを解決するという会社の姿勢が、しっかりと伝えられるようになった」と、社長の坂本氏は語る。今後も金属加工を事業の柱としていくが、「世の中にないものを作り出し世に出す」というキーワードを軸に、開発や販売、企業間コラボレーションのネットワークを広げてゆく予定だ。

  
峰光電子グループと共同開発した「ドキュメント・マネージメント・システム」。書類管理の自動化・電子化に便利。
過去の試作品には、どこまでも突き詰める職人の心が結集している。