特集:ロボット・エンジニアリング

立山工業株式会社

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24時間稼働のロボットラインを自社構築

立山工業株式会社
自作したマシン

土地柄から、従来は白物家電の精密部品加工を得意としてきた。治工具を内製することで、高精度実現に不可欠な微調整が正確かつ迅速にできるため、大手メーカーの国内工場が海外移転を進める中でも勝ち残り、高精度加工を極めてきた。現在では、自動車部品や半導体部品、油圧部品などの加工を行っている。

しかし同社は、市場景況感に押され工場の自動化に着手したわけではない。業務の効率化は創業当時から途切れることなく受け継がれてきた、いわば企業のDNAだ。納期短縮とコスト圧縮という顧客の要求に応えるため、工具を作るためのマシンに必要な道具は、創業者をはじめ職人自らが積極的に自作してきた。工場内の導線も考え抜かれている。こうした創意工夫が、6台のマシニングセンタをロボットで連結するという独自の高効率ラインとして結実した。

加工機はブラザーのタッピングセンタTC-22B-0を6台並べ、その間を不二越のロボットMR20が繋ぐ。また、全数についてエアーブロー機による切粉除去や重要加工箇所の測定までを行う。これらのノウハウがすべて独自の 研究開発による上に、いまやこのロボットラインは24時間稼働を実現している。

このように安定運用が可能となったのは、使っているうちに出てくるエラーを使いながら改良し、その経験を積み上げているからだ。また、これが同社のロボットラインの強みでもある。全自動だと必ず課題となってくる精度の問題も、社内で治工具を作ってきた経験が活かされ、ミクロン単位の調整を治工具で吸収することができるのだ。

工場見学から導入のトータルサポートまで

立山工業株式会社
技術部SE課課長の長岡徹氏(右)

同社でロボットと人の仕事の振り分けを考えるときに、まず基準となるのは数量だ。比較的数量が多く、かつオーダーとして安定しているものはロボットに任せる。そして、いわゆる小ロットで難しい加工は人が行う。こうすることによって、人はより難しい技術に取り組み、ロボットとのすみ分けができる。そして、若い人たちにも「手に職がつく」という具体的な将来像を持ってもらうことができる。

同社では、もともとは人のラインにもあるものをロボットラインに置き換えていったが、夜中も稼働させるラインを作るには、材料や完成品を置く場所も考慮しなければならない。そのため、まず「ロボットラインを検討するときに必要なのは、何時間稼働させたいかという目標を明確にすること」だと長岡氏はいう。

これからは、いわゆる「3K」と言われる作業はロボットに任せ、そのロボットたちを使いこなすのが人という構図が進む。そのときには、いまはスタンドアローンになっている機械を周辺機器と連結して、それを人のように繋ぐロボットが必要となってくるだろう。

同社では積極的に工場見学も引き受けてきたが、相談件数も増えたことから、5年ほど前に、省力化に取り組む専門の部門を立ち上げ、ロボットラインの導入に関するトータルサポートを開始している。まずは工場見学を通して、自社の課題を明確にしてみてはいかがだろうか。

立山工業株式会社

所在地

住所: 〒547-0002 大阪市平野区加美東3-4-8

TEL

06-6791-0444

URL

http://www.tateyamakogyo.com

創業

1960年

エミダス会員番号

73698

 

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