特集:リクルート・教育

株式会社鬼頭精器製作所

株式会社鬼頭精器製作所

優秀で心が通う外国人を採用

株式会社鬼頭精器製作所
ミクロンレベルの高精度加工品

約10年前に、全社あげて国家技能検定一級技能集団を目指す取り組みが始まった。それと同時に「愛知県優秀技能者表彰(あいちの名工)や国家から贈られる「褒章」といったほんの一握りの人だけに与えられる栄誉も目標とした。これらは、個人の努力だけでなく企業の社会貢献が認められなければ受賞できないため、中小企業から選ばれるのはとても難しいが、個人と企業の目標が両輪となった取り組みとして続けられている。

2018年の国家技能検定には、ベトナム人のエンジニアも挑戦する予定だ。彼らは入社後4~5年が経過したメンバーで、筆記テストの日本語は難しいが、もともと母国では工科大学で学んだような秀才ぞろいのため、合格できる者もいるのではないかと期待される。

同社が採用するベトナム人エンジニアは、「賢くて、ハートも強い」と鬼頭氏の評価は高い。もし彼らの国にも成熟した製造業があり、国家の仕組みが整っていたならば、彼らは世界トップクラスの優秀なエンジニアとして活躍するだろう。いま、日本は戦後70年の恩恵を受けているが、個人の能力として見たときにはベトナム人と日本人の差はない。

自動化ではなく「人」にこだわる

株式会社鬼頭精器製作所
精密な加工を可能とする回転工具

同社が外国人の雇用を進めるのは、将来の人手不足に備えるためだ。同社の強みは「人」にあるため、自動化ではなく、人の手で作って行くことに存在意義を見出している。

そこで、優秀な人材を確保するため、当初は外国人紹介を得意とするエージェントに仲介してもらっていたが、いまは社内に外国人を受け入れる経験ができたので、自社で留学生向けの合同説明会に参加したり、すでに働いているベトナム人スタッフの家族や友人を口コミで採用している。また採用後は、行政機関が行っている外国人労働者向けの日本語教育サービスなどをうまく活用し、定着への体制を整えている。

株式会社鬼頭精器製作所
入社8年目のベトナム人エンジニア
加工技術は同社でもトップクラス

「日本人でも継続した雇用ができるかというと不安なのは同じ。ベトナム人は帰属意識が強く、すでに社内にもベトナム人ネットワークがある。他の国の人も検討はしたが、採用したのはいずれもベトナム人になった」という。求めているのが期間限定の単純労働者であれば、どこの国の人でも問題はないだろう。愛知県は、すでに外国人労働者がいないと経済が成り立たないようになっており、周りの企業ではさまざまな国籍の人が働いている。しかし同社が求める精密機械の部品加工のエンジニアレベルになると、現時点では、ベトナム人が最良の選択だということだ。

一方の日本人の採用では、現在は高卒の採用は行っておらず、学卒者の新卒採用をしている。ホームページなどで「国家技能検定一級技能集団」というコンセプトを明確にしているので、「この会社にいればスキルアップできる」と学生の人気も高い。

また、高校生と大学生、障害者のインターンシップを積極的に受け入れている。これは採用目的ではなく、青少年育成を目的とした社会貢献の一環だという。こうした取り組みは、日ごろ外部の人と接することが少ない現場の社員にとっても、若い人や生活習慣が違う人と接するよい機会となっている。日本でものづくりをやっていくためには、日本人も鍛えられないとならないからだ。

株式会社鬼頭精器製作所

所在地

〒473-0904 愛知県豊田市中町中根50

TEL

0565-52-3757

URL

http://www.kitouseiki.co.jp

E-mail

info@kitouseiki.co.jp

設立

1963年

 

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