~ 待ったなし! 企業の世代交代の悩みと対策 ~
前回のコラムでは、社長のナンバー2の必要性をお話ししました。今回はナンバー2を作る前の話ですが、そもそも事業承継がうまくいっているのかという話をします。以下は日本政策金融公庫の調査ですが、具体的に事業承継後に新社長が実践していることは以下のことのようです。
● 新たな顧客層の開拓
● 店舗・工場の増設、拡張
● 新たな事業分野への進出
● 新商品・新サービスの開発、販売
(2010年・日本政策金融公庫の調査)
しかし、これらの活動によって承継後1~5年以内に業績を伸ばすことが出来たのは実はたった15%にすぎません。正しい施策をしているのにも関わらず、5年を境に「減益傾向」の企業が増加しいているのが実態なのです。
上記の4つの施策は、どれもこれも正しいと思います。ではなぜ正しい施策をとっても、うまくいかないのでしょうか。私も今まで事業承継の相談をいろいろ受けてきました。その話をたどっていくと、原因が見えてきます。2代目社長は、先代社長から引き継いだ直後は猛然と頑張ります。社長自ら率先して社員に指示を出し、げきを飛ばします。「よっし!絶対に業績を上げて結果を出すぞ」と毎日心の中で思っています。先代の社長とどうしても比較されるので、頑張ります。そして、現場では幹部を集めて「この計画でやるから、理解して結果を出して欲しい」
しかしなかなか結果がでない・・・
いろいろ策を立てても結果が出ない。おかしい、なぜなんだ・・・?会議をやっても意見は出ないし、出ても後ろ向きな意見ばかり。古参社員からは反対意見ばかりで「社長、それは無理ですよ。うちにはそんな優秀な社員はいませんから」新社長は「もっと斬新なアイデアを出してくれないか」と怒りに近い語気で部下を叱ってしまいがちです。
社長が頑張れば、頑張るほど社員が付いてこない?
こうなると二代目社長は「よっし!それなら自分が頑張るしかない」と考えます。しかし、このままでは「社長」対「社員」という対立が続きます。業績も安定しないし、社長自身もドンドン悩みが増え、ストレスが増すばかりです。「このままだとまずい」なんとかこの状況を打破しなければと考え、少し前に相談したコンサルタントの話を思い出すのです。
現状を打破して、社員と共に一丸となるには?
二代目社長が自分の想いを社員と共に叶える方法があります。それは、【ビジョナリー人事制度】といって、ビジョンを達成する人の成長の仕組みです。次回のコラムで【ビジョナリー人事制度】についてお話をします。
それでは次回のコラムまでお元気で!
(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀 )