第4回 『アベノミクスが目指す岩盤規制の改革』と年頭所感

 

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。みなさまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

 昨年生まれた子どもの数は、前年比2万9千人減の100万1千人と過去最少となりました。人口の年間推計は、1~10月の増減率をもとに11月・12月分を予測して算出するので、今後発表される確定数では出生数が戦後初めて100万人を下回る可能性もあります。厚生労働省は、「子どもを産む女性の数が減少傾向にあるので、今後も出生数の減少は続く」と見ています。死亡数は前年比1千人増の126万9千人でした。婚姻件数は1万2千組減の64万9千組、離婚件数は22万2千組で、実に3組に1組以上が離婚しています。多くの国では、財政の3~4%を子育て世代に振り向けていますが、日本は1%台です。子育てにやさしくない国は、少子化という思わぬところで反撃を受けています。

 アベノミクスが現在の日本に実効性の高い政策として正しいのか、正しくないのか、国民を幸せに導いてくれるのかどうかはさておき、我々は、今後3年は続くであろうアベノミクスを検証し、その流れに乗らなければなりません。黒田日銀総裁のおっしゃる「異次元の金融緩和」政策に対し、当社は太陽光発電事業に75億円(23メガワット)を投資しました。内10メガワットは順調に売電を始めています。

 昨年1月、ダボス会議で安倍晋三首相は、「今後2年で、残された岩盤規制を全て打ち抜く」と宣言しました。この方針は、昨年6月に政府がまとめた成長戦略「日本再興戦略」や、先月の総選挙での自民党公約でも改めて踏襲されています。これが「第3の矢」です。ここに労働法制(特に労働者派遣法と入国管理法)の改正が盛り込まれています。

 年末(12月26日)発表された総務省の労働力調査では、非正社員の数は一昨年より46万人増え2012万人、統計をとった1984年以降、初めて2千万人を超えたとのことです。これだけ社会批判を受けながら成長しています。全労働者の約38%です。しかし、これは正確ではなく、職業安定所に仕事を求めに来た人だけの数で、フリーター、ニート、無業の人、就職を希望しない人を合わせると、ほぼ1対1に近づくものと思われます。それはなぜか。まさに岩盤が厳然と存在している証です。

 女性の社会進出のみ取り上げても、賃金は男性の約3分の2、企業の管理職男性の11%、国家公務員の管理職男性の3%、上場企業の役員にいたっては1.2%、まさに誤差の世界です。それほど日本には岩盤規制やガラスの天井が至る所にあるのです。ダイバーシティが許容出来ない日本の文化、既得権者。これを一つずつ打ち砕いていくのがアベノミクス「第3の矢」です。

 当社は、今年から大きく変わります。様々な業界、そして様々な企業に合った処方箋を描いて、我々の持てるスキルを駆使して海外人材、日系人、中高年人材のみなさんと日本企業の勝ち残り、日本の再生を支援していきます。日本の岩盤規制をぶち抜き、企業に明るい未来を提供します。本年もよろしくお願い申し上げます。

(執筆者:株式会社アバンセコーポレーション 林隆春

 

 

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