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プラスチック掲示板

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管理人:管理人

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PPの成形品のウェルド部分の割れで困っています。国内にて使用される時には問題無いのですが、同じ製品を海外にて使用した際に割れるクレームに悩まされております。
製品は船便にて現地に輸出していますが、考察するに赤道付近を通過する際に船倉内の温度が、高くなり製品の収縮が起きてしまいウェルド部分の強度が弱くなってしまっているのではないかと思うのですが・・・
この考察は、いかがなモノデショウカ?過去にこの様な事例のトラブルを経験された方、または、詳しい文献など参考資料の情報などお持ちの諸先輩方がおりましたらば、是非ご意見をいただきたくよろしくお願いします。

No.47162 Re: Re: 2985 PPのウエlルドの割れで困っています。

2003-08-17 03:54 投稿者: なっとー リンク:

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こんにちは。

成形品の形状や使用状況が判らないのでなんとも言えないところは
ありますが大きく分けて3つ原因があると考えます。また
それぞれ単独ではなく組み合わさっていると思われます。
1.成形時からの残留応力によるもの
2.加熱収縮によるもの
3.線膨張の違いによるもの

1.成形時からの残留応力による場合
流動性の不足した樹脂で無理やり成形したりシリンダー温度が低かったり
した場合、ウェルド部分の融着が弱いだけでなく成形時の応力が
残りやすくなります。その応力による歪が生じ、緩和される際に
弱いウェルド部分が割れた可能性があります。

2.加熱冷却によるもの
PPは加熱~冷却をうけると結晶化が進み、剛性が高くなる一方
伸びにくくなる性質があります。
また寸法も小さくなります。(加熱収縮)

剛性が高まり引張弾性率が高くなると、成形品の歪を全体で
カバーすることができなくなり、ウェルド部が割れることが
考えられます。
他部品との組み合わせの場合、加熱収縮により寸法が小さく
なったにもかかわらず無理やり組み付けられている可能性が
考えられます。
組み合わせでなくても偏肉が大きかったりインサート成形の
場合も同様のことが考えられます。

ウェルドではありませんが、勘合部品を輸出した際に
加熱によって硬くなり、勘合時の変形にツメが耐えられずに
割れたという話を聞いたことがあります。

3.線膨張係数のちがいによるもの
一般的に物質は温度が高くなると膨張します。1℃あたりの
寸法変化を線膨張係数といいます。
金属などは線膨張係数が小さい(温度がかかっても伸びにくい)の
ですがPPの場合は線膨張係数は大きめです。この違いにより
金属インサート成形品や金属部品と組み付けた場合など加熱時に
割れが生じることがあります。


国内使用はOKで南方の輸出先でNGということは2の加熱冷却
の影響が大きいと考えますが、国内でも割れが発生する可能性を
秘めていると思います。今のうちに成形条件などを見直しておくことを
お勧めします。

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