巡航ミサイルがピンポイントで爆撃成果を上げる一方、イラク軍が発射したスカッドミサイルを迎撃するパトリオットミサイルの命中率が低いというのが前回の湾岸戦争に続き、今度のイラク戦争でも目立った。
スカッドミサイルの頭脳は1977年に発表されたミニコンのコピーでものすごい年代物だ。
一方のパトリオットは最新鋭のコンピューターでスカッドの弾道を精密に計算し、迎え撃つ。
当たらない理由は「先端の形状にある」と聞いた。
機械加工のわずかな狂いが音速で飛行するパトリオットの軌道を乱す。
うまく成型できたヘッドを装着したものはきちんと当たるという。
亜音速で飛ぶ巡航ミサイルは、仮に機械加工の誤差で軌道がずれても修正する時間的な余裕があるから、狙い通りに命中する。
世界の先頭を行く米国の軍事技術のアキレスけんはここにある。
生産技術の基盤が弱り、本来の性能を発揮できない。
某国が核兵器保有を表明した。
考えたくないが日本製パトリオットならもっと当たるかも。(忍)
(日経産業新聞 4月28日(月)より)