初めまして。当方、北海道在住の地方公務員です。仕事の傍ら、事業所や個人で使われなくなったパソコンを回収し、清掃・整備し、障害者や高齢者等のいわゆる「情報弱者」に無償で配布するボランティア活動（「ｉ－ｄａｙプロジェクト」という名称です）をしております。

　昨年の夏に立ち上げたのですが、かなり反響があり、１００台余りを寄贈してきました。今も「パソコンを分けて欲しい」という問い合わせが毎日のように来ています。

　しかし、ここに来て問題が出てきました。これは、廃棄物処理法等の法律の問題です。

　事業所から放出される中古パソコンは、廃棄物として処理されることがほとんどかと思いますが、これを再利用しようとすると次のような問題があります。

　１　「産業廃棄物」というレッテルを貼られてしまったパソコンは、たとえ完動品でもそれを引き取ってパソコンとして使うことはできない。
　２　産業廃棄物ではなく、「有価物」として扱えば問題はないとのことだが、資金が脆弱なボランティア団体では中古パソコンを買い取ることは難しい。
　３　有価物の買い取りについては、原則として「古物商」の免許が必要。
　４　中古パソコンが「有価物」扱いとなると、帳簿上、税金上の問題（手間）が生じ、事業所としては「廃棄物」として処理してしまった方が楽。

　ＩＴ革命云々という言葉をよく耳にしますが、日本においてもデジタルデバイドの問題は存在し、その格差は次第に広がっているように思われます。政府・自治体が肝いりで行っているＩＴ講習も、自分で使えるパソコンがなければ何の意味もありません。

　廃棄物の不法投棄が増大している現状では、法律も厳しくならざるを得ないのでしょうが、厳しい法律がボランティア・ＮＰＯ活動
抑制し、結果として国民の情報格差を増大させている現状は何とも皮肉な話です。

　環境省に電話をしたら、「この問題は都道府県の問題だ」といわれ、相手にしてもらえませんでした。メールを出してもなしのつぶてです。小泉政権の陰の一面を見せられた感じで、とても複雑な心境です。