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CAE掲示板

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管理人:mail

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 書き忘れましたが、脆性破壊は疲労破壊と同様、寸法効果があって、
寸法が相似的に小さくなればなるほど、あるところまでは、強度は
高くなって行きます。
 この寸法効果までを解析で出そうとすると、よほど上手なクライ
テリオン(基準)の設定が必要です。「ある点のミーゼス応力が
基準値に達したら、その基準値に対応した現象が起きる」という
ような、単純な考え方では、寸法効果は表現できないからです。

 具体的には、「応力勾配」あるいは「相似比」を取り込んだ基準の
設定が必要です。この辺は、意識ある企業なら、それぞれノウハウを
保有していると思います。

 なお、「ある点の応力値が引張強さを越えたら破断が開始する」
とか、「ある点の応力値が疲労強度を越えたら疲労破壊が開始する」
という考え方は間違いです。これは一様応力場だけについて正しい
のであって、応力に勾配がある場合には、局所応力は基準値よりも
メチャ高い値が現れても不思議はないのです。
 疲労強度評価で、局所応力が疲労限度を越えているのに、実験で
確認したら、疲労破壊は生じなかった、という”訴え”は、昨年末
にもこの掲示板に登場しましたね?

 残念ながら、その時、私は議論に加わるタイミングにありません
でした。残留応力などの存在とは関係なく、大きな応力が現れても
不思議はないのです。

No.73583 Re: Re: 9622 9614 9610 弾塑性解析におけるメッシュサイズ決定について

2007-07-21 11:16 投稿者: WHITE リンク:

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岸様,TBD様,貴重なご意見ありがとうございました.

まず,以下の3点についてお詫び致します.
1.「断塑性」⇒「弾塑性」の変換ミスです.
2.コンクリート構成則の軟化領域を塑性と表現してしま
  いました.これは非線形と言うべきだったのかもしれ
  ません.
3.CAEでもない,ただの土木屋がたまたま見つけた掲示板で,
  その場の空気も読めず,とても低レベルな質問をしてしま
  いました.

ちなみに私の質問は要約すると
「コンクリートのような脆性材料において,ひび割れ進展をマクロ的
 に追跡するため,構造物全体の挙動を把握するため,その軟化領域
 までを構成則に入れてFEM解析を行いたい.この時のメッシュサイズ
 の決定方法について,線形解析と同じように細かくして いけばど
 こかで収束する(特異点を除く.そもそもひび割れの先端は常に特
 異点?)ものなのか,もしや非線形解析では同様の考え方はできな
 いのか(軟化勾配とのバランスも必要),そのイメージだけでも
 ご教授願いたい」
といったものでした.(↑相変わらずトンチンカンなことを言ってい
たら申し訳ありません)

以下,頂いたコメントに対するものです.
岸様
『顔を洗って出直してください。
もっと広く「構造解析のための有限要素法実践ハンドブック」など
勉強してください。』
・ご推薦いただいたような類の本でちゃんと勉強したいと思います.
 どうもありがとうございました.

TBD様
『要素を規則的に細かくして行けば正解に収束します。最近は優秀な
 プリ処理ツールがあるので、それを使って、収束性をご自分で確認
 されたらいかがでしょう?』
・要素細かくする検討は3種類しか行わず,その時点で軟化領域に入
 ったコンクリートの応力値に収束性がみられなかったため,疑問を抱いて
 いました.もう少し分割数のパターンを増やして再検討したいと思
 います.ただ,土木系の構造物は大きなものが多く,着目個所だけ
 を細かくするにしても,節点数などの制約を受けてしまうのが悩ま
 しいところです.

『「コンクリートにミーゼスを使用していいのか?」という疑問につ
 いては、一般にはNGだからこそ、他の評価方法があるのだと思いま
 す。しかし、要は実現象と合えば良いわけです。』
『金属とコンクリートでは、クライテリオンの設定が全く違っていた
 ような記憶があります。』
『壊条件を仮定しながら解析し、それが実現象と合えば、目的は達成
 されるわけです。』
・他の評価方法,例えばモール・クーロンでは,摩擦角などをコンクリート
 の単純な材料試験(圧縮試験,割裂引張試験など)からどのように
 決定すれば良いのか,決定できたとして材料試験値との境界条件
(寸法効果も含む)の違いからそれは正しいのか,という疑問が勉強
 不足で解消できなかったため,やむを得ず使いやすいミーゼスを
 使用していました.
 TBD様のおっしゃる通り,自分の仮定がまずは実験値とどの程度合う
 のかを第一段階の目的として行いました.ですから,例えいい結果
 だったとしても,仮定がそれほど結果に差異を与えない程度のもの
 だたのか,自分の意図しない所で偶然うまくいったのかということ
 があるのを忘れず,結果を構造設計に適用していきたいと思います.

『脆性破壊は疲労破壊と同様、寸法効果があって、(中略)単純な考え
 方では、寸法効果は表現できないからです。(中略)具体的には、
「応力勾配」あるいは「相似比」を取り込んだ基準の設定が必要です。
 この辺は、意識ある企業なら、それぞれノウハウを保有していると思
 います。』
・寸法効果は,大きくなれば材料の均一性が悪くなる確率が高くなったり,
 微細な亀裂などの欠陥が増えるから強度が落ちるとかいうヤツでした
 かね.土木構造物の設計において,使用する示方書等で,鋼材は板厚
 が厚くなると強度が下がったり,許容応力度設計法における安全率が
 高くなることと関係があるのかと思います.
 特にコンクリートは寸法効果以前に,同じ寸法でも生コン練り方や打設の仕方,
 養生の仕方など,材料の不均一性をもたらす要因が多々あるため,精度
 を求めようとすると鋼材に比べ解析的取り扱いが難しいように思います.
 コンクリートの引張強度は割裂試験から近似して求めるのも材料の不均一性の
 大きさが原因だと思っています.

 非常に分かりやすく丁寧なアドバイス,本当にありがとうございました.
 大変助かりました.

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