No.50499 疲労限度線図上の安全率の求め方
2003-12-09 17:00 投稿者: fatigue リンク:
削除キー (?)
fatigueと申します。 いつも拝見させて頂いております。 CAEとは直接関係ないのですが、解析結果から平均応力と応力振幅を 求めてこれをもとに、耐久(疲労)限度線図上で強度評価したいと 考えております。 その際、安全率の求め方としてどのような方法をみなさんお使いなのか 教えて頂けないでしょうか? 疲労設計関係の書籍を2冊ほど調べたのですが、安全率の求め方は 計算されておりません。 宜しくお願い致します。
No.50609 Re: 6314 疲労限度線図上の安全率の求め方
2003-12-12 21:37 投稿者: TBD リンク:
ご質問の意図が、いまひとつ明確でないのですが、次のどれでしょうか? (1)そもそも、安全率の求め方がわからない。 (2)応力振幅と疲労限度だけのばらつきを考慮した安全率は求められるが、平均応力が加わった場合の、3者を考慮した安全率の求め方がわからない。(計算方法を知りたい。) (3)応力振幅と疲労限度だけのばらつきを考慮した安全率は求められるが、これに平均応力が加わった場合の、疲労限度に関するばらつきのデータがなくて、その推定方法が知りたい。(疲労限度のばらつきの推定方法を知りたい。) (4)ばらつきデータがないので、その推定方法を知りたい。 (5)その他 読者の中には知らない方もいらっしゃると思いますので、(1)から順番に説明していきましょう。 (1)の説明 安全率SFは、発生応力(=設計値)σAと強度基準値σbから、 SF=σb/σA で定義できます。 今の疲労の場合には、 発生応力 = 応力振幅 強度基準値 = 疲労限度 と読み替えてください。 この発生応力を合理的に求めるには、まず、「発生応力と強度基準値が正規分布をなす。」という仮定を置きます。そして、信頼度Rを自分で設定すれば、あとは正規分布の計算から求めることが出来ます。 経由して求めることができます。 具体的には次のとおりです。 発生応力と強度基準値の、平均値をσa,σb、標準偏差をSa、Sbとしましょう。 強度基準値から発生応力を差し引いた「差の分布」は、また正規分布となり、平均値はσb-σa、標準偏差は√(Sa^2+Sb^2)となります。 この「差の分布」上で、破壊確率P(=1-R)に対する応力値σb-aが求まります。この値の計算はExcelなどを使えば簡単にできます。 この値を、元の発生応力の分布上での値に戻してやります。すなわち、「σbの分布」と「差の分布」の差をとれば、それがσAとなり、これから安全率が計算できます。 (2)の説明 次に、発生応力の方が、単純に応力振幅のばらつきだけでなく、平均応力のばらつきまでも考慮したい、という場合には、上記のSaの代わりに、両者の標準偏差の2乗和の√をとればOKです。 (3)の説明 この場合、計算上はそれで良いのですが、平均応力がある場合の疲労限度のばらつきデータなど、ない方が普通です。その場合には「エイ!ヤーッ!」が出てきます。 要は、平均応力が0の場合のばらつきを、そのまま採用するのです。 過去には、平均応力の最大値が引張強さになることを根拠に、そのばらつきとの内挿で決めるご丁寧な人もいました。 (4)の説明 なかには、「そんな、ばらつきのデータ、どこにあるのぉ?」という人もいます。 応力のばらつきデータは、外力の変動と同じですから、設計者が把握していなければなりません。風荷重などを扱う場合には、ばらつきが大きくて面倒なことになります。 よくわからない場合も多く、そんなときは、平均値に対して10%程度の増減がある荷重の場合には、10%を3σと考えて、変動係数(=標準偏差/平均値)を0.03(≒10%/3)ぐらいに設定したりもします。 疲労限度のばらつきについては、これは測定が必要です。 とはいうものの、自分で測定できる環境にある人は、そうはいません。また、疲労限度のばらつきデータなどは、実際のところ、お目にかかった人の方が少ないと思います。 そこで、代表的な材料については、強度データブック(だったか?)に出ていたような気がします。実際にはそれらを元に推定しているのが実情です。 ただ、相手がプラスチックなんていうことになると、こりゃあ、探しても見つからないかも… 要は、安全率を求める世界は、使用するデータは推定によるものが多い、という実情なのです。 で、以上の説明がすべて的外れだと、(5)の「その他」になってしまうわけでして、もう一度仕切り直しが必要ですので、fatigueさん、追加説明をお願いします!
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