一般的経済理論による企業経営方法で町工場を運営は難しいですね。
貨幣価値換算で同価値取引を基本とする貨幣経済では価値消滅リスク
の一番少ないのが貨幣でしょう。インフレに対しても資本回転率を
上げる事でリスクを避けられます。銀行、投資グループ、商社などが
資本を貨幣のまま運用して大きな利益を上げる理由でしょうね。

町工場は資本の大部分を物質的資本（土地、建物、機械、専門家など
）で長期に固定しています。物質的資本からは性質と量の成果が得ら
れますが、明確な限界が在ります。その上市場が要求する性質と量を
１０年先まで予想するのは難しく、だいたいは外れます。物質的資本
は価値を大きく減少させます。時には無価値ともなります。

巨額の物質的資本を持っていてもデフレ下では長期に固定されている
ので貨幣資本による利益にあやかれません。それどころか同じ物質的
資本がより少ない貨幣資本で交換でき、手に入るので競争力は落ちて
行きます。後から投資した者が有利となりますね。

インフレ下では先に投資した者が有利となりますが、性質と量の予想
が狂い損害が出ます。損害以上に経済が拡大すれば目立ちません。
私なんかは気づきもしません。

結局の所、インフレでもデフレでも物質的資本は損害が大きいです。
現代町工場においては設備投資が資本の大部分でしょうから、ここの
損害を食い止めて資本減少を避けなければ成りません。

ーーー設備投資の形態と残存価値が大問題ですーーー