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「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

今回はvol.77【ステンレスパイプ②】です。
ステンレスのパイプについて、今回はクリーンパイプというものについて学んでみよう

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▶▶▶ステンレスパイプ②▶▶▶

【クリーンパイプ】
ステンレス管を使用するにあたりクリーン度の向上が求められています。
その時に使われるのがクリーンパイプと呼ばれる製品です。

通称『( ステンレス) クリーンパイプ 』と呼ぶ。BA 管、EP 管、WEP 管 などを指します。

▼▼▼
半導体や液晶パネルなどを製造する装置や機械に( 使用される配管) は塵( パーティクル) や
水分などの付着、発生が少ないことが前提とされる
➡ パイプの内面の平滑度、清浄性の高さが必要

また技術の進歩もあり特に高純度ガス供給系の配管部品はクリーン度が求められている。
この時に使われるパイプの内面に「精密仕上げ」の処理をしたものがクリーンパイプと呼ばれるもの


※まず知っておこう
クリーンパイプには当たらないがAP 管というものがあります。

『AP管 (酸洗管) 』 → 特徴は表面が白銀色で梨地肌
クリーンパイプほど精密に仕上げられているわけではない。
一般酸性洗管とも呼ばれ熱処理後にできる酸化被膜を落とすために酸洗浄処理をする。
内面の平滑度は粗く、その分製造コストも低い。


【BA 管 / EP 管 / WEP 管】
それでは上述したBA 管、EP 管、WEP 管について記述いたします。
ざっくりクリーン度でいうと WEP＞EP＞BA という順番になります

❏BA管 | 光輝熱処理鋼管
BA=Bright Annealed

素管は継目無( シームレス) ステンレス鋼管
・ 冷間引抜き加工を施す ➡ 表面が滑らかになる
・ さらに光輝焼鈍炉にて固溶化熱処理を施す ➡ ステンレスに光沢をもたせる

内面平滑度を向上させることができ、液体や気体をガス溜りや液溜まりがなく潤滑に供給できる。
用途としては半導体製造設備、食品や医療関連、宇宙・航空機部品、原子力発電など


❏EP管 | 電解研磨管
EP=Electro-Polished

BA 管の内面に処理を施したもの
・ 電解研磨をする ➡ 陽極の溶解反応により内表面を更に平滑、クリーンにする（電解複合洗浄とも言う）

BA 管よりもさらにクリーン度の高いものとなり、耐腐食性も向上します。
用途は水素供給設備、バイオ関連装置、ファインケミカル関連装置など


❏WEP管
WEP=Electro-Polished + Double melt

最高品質を誇るEP管
ステンレスに含まれる不純物元素や非金属介在物を極限迄低減させる製法
➡ VIM+VAR( 真空二重溶解 / ダブルメルト) で作られる
「W」 はDouble melt の略

EP 管よりも清浄度や溶接性、耐食性にも優れる
用途としては最先端産業を支える高純度ガス配管など


CHECK☞
光輝焼鈍とは：
熱処理前のステンレスの光沢を維持した状態での焼鈍を行う方法、
酸化被膜によって金属表面が黒ずむことがない熱処理のこと

まとめ：
弊社でもごくたまにBA 管などを使うことがあります
高価なもののため取り扱いや加工には注意。
クリーン度を保つための工夫が必要です。


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