特集:鋳造・ダイカスト
株式会社キャステムは製菓工場をルーツに持つ企業で、創業当初はカステラ、アメ、チョコレートなどの製造販売を行なっていた。製菓機械の保全部門でロストワックス精密鋳造の試作を始め、1970年に鋳造部門を分離独立させ、同社を設立した。
現在のメイン事業は精密鋳造とM I M(金属粉末射出成形法)で金属部品の製造を行なっている。精密鋳造は、金属を溶かして部品を作り、M I Mは金属の粉末から部品を作るという方法だ。後者はクッキー作りに似ており、小麦粉と卵を混ぜて焼いて膨らませる代わりに、金属粉末と樹脂を混ぜ合わせ焼き固めることで樹脂を蒸発させ密度を高め、部品を作っていく。製菓メーカーからスタートした知見もあり、独自で開発した技術だ。
医療機器、工作機械、半導体製造装置など幅広い産業において他社が敬遠する複雑な製品や小ロットの製造に積極的に取り組み、また医療機器に使用される規格が厳しい材質など、約70種類の部品に対応。早い段階で海外の製造拠点を設立し、数個単位の部品を丁寧に仕上げている。最近では3Dプリンタを活用し、金型を必要としない短納期鋳造『デジタルキャスト製法』を推進するなど、デジタルとアナログの融合で新たな製造技術の立ち上げも果敢に行い、インターステラテクノロジズ株式会社のロケット部品などスタートアップとの連携や、大手メーカーの研究開発部門への供給も活発化していきている。デジタル造形の文脈では、京都先端科学大学との産学連携プロジェクトにおいて超微細3D造形のサービスも開始するなど「デジタル化」「微細化」というテーマも追求している。また2015年頃から、自社技術を活かした新規事業にも力を入れている。全社員から新しい事業のアイデアを募集し、OEM事業の展開だけでなく、モノづくりのノウハウを生かした自社商品開発や農業へ参入。コロナ禍の困難もあったが2023年度のグループ売上目標100億円のうち2%は新規事業である。
直近では、新型コロナウイルスの影響もあり、半導体製造機器の部品製造の依頼が増加。全体の売上においてタイの3工場とフィリピンの工場がとくに好調だ。オーダーに追いつかない状況が続いており、ベトナム工場の立ち上げも決めた。一方、日本国内では2021年にJUKI株式会社と提携もした。
戸田有紀専務執行役員は「急激なデジタル化の進歩、人手不足や高齢化に対して、様々な面での環境整備が必要です。デジタルキャスト専用工場の立ち上げ、新規事業の分社化のほか、食堂チーム主導の飲食店の開店など『関わるすべて人びとに素敵な驚きを届ける』をテーマに実行していきます」と、企業の魅力を高める戦略に力を入れている。
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