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「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

引き抜き加工【パイプマナブ vol.86】
パイプ自体を作る加工として避けては通れない引き抜き加工、どういったものなのでしょうか

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▶▶▶引き抜き加工▶▶▶

【引き抜き加工】
引抜き加工は「塑性加工」の一種で、穴から金属を引き抜いて伸ばす加工
また後日解説する「押出し」と同じくバー材やパイプの生産をします。

ダイ( 孔の空いた金型) に棒状や線状の加工材を通し、引っ張りながら成形をしていきます。
この加工材は「押出し」で作ったものが使われます、また引抜き加工は基本的に冷間加工( 常温) で行われ潤滑油が必須になります。（太い材料の時は熱間で行われることもある）
ちなみに材料の先端を引っ張る掴み機具は「キャリッジ」と呼びます。
細いものになると電線やピアノ線、注射器の針などの生産をする加工です。

〇メリット：
・圧力がかかり、引張り強度があがる
・直径の寸法精度が高い

×デメリット：
・引抜きを繰り返すと加工硬化で断線する
・断面の形状が限られてしまう

➡伸線加工
引抜きと同じくダイを通して細い線材のものを製作しますが、巻き取ることの可能なものを作るのが伸線加工です。
よってできあがりはコイル状になっています、各種ワイヤーなどがこちらの加工で作られることが多い。


【引き抜きの種類】
※図説は添付画像をご覧ください
引き抜くだけでも沢山の方法があります、今回は代表的な５つをまとめてみました。
ローラーダイスの引き抜きに関してはまた別の機会に。

『線引き / 棒引き』
→単純引き抜きとも言う
バー材を引抜きする、もっとも一般的な加工法。
パイプなどの中空のものではなく中実（線材や丸鋼のようなもの）を製造する。
何度も行うと加工硬化するため熱処理が欠かせない。

『空引き』
→そらびきと読む
ここからはパイプ状の管材を引抜きする加工法です。
単純引抜きと同じ手法で菅の外径を小さくする。
内側に管の支えがないので薄肉の加工は難しい。

『（固定）心金引き』
→玉引きと言うこともある
被加工材の中に心金という棒を固定し引抜きを行う加工方法です。
空引きよりも薄肉かつ高精度に加工できる。
心金は固定されているので最大長は心金の長さに準じます ※数メートル程度

『マンドレル引き』
→心金引きより薄肉加工可
心金引きと同じく被加工材の中に、マンドレルという工具( ダイの内径より小さい) を通し、
一緒に引抜きながら成形する加工法。
心金引きよりもさらに薄肉の成形に向いている

『浮きプラグ引き』
→心金引きより細く長い加工
被加工材の内側に、プラグを浮かせて設置し、引き抜く加工です。
プラグはダイの内径より大きい。
また摩擦と引張りによって浮いて固定されます。
心金引きより極細管かつ長尺の成形が可能。


CHECK☞
引抜き加工には抽伸機( ちゅうしんき)という機械を使用します。
伸線加工には伸線機が使われます、似た加工をしますがバー材、コイル材になるかの違いがあります。


まとめ：
パイプ自体を成形するにおいて欠かせない加工の引き抜き加工、
継ぎ目( ビード跡) のないパイプは引き抜きをして作られます。


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