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「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

今回はvol.79【ヤング率と降伏点】です。
一般にはあまり聞きなれない言葉ヤング率、どういった意味なのでしょうか。若い？

◇関連記事
塑性加工と加工硬化【パイプマナブ vol.59】
https://ja.nc-net.or.jp/company/98857/product/detail/228105

▶▶▶ヤング率と降伏点▶▶▶

【ヤング率とは】
※図やグラフについては添付画像をご覧ください

トーマス・ヤングが発見した基本定数のこと。
材料力学を学んだ人は確実に学んだものかと思います。
ここではどういったものかだけを学びます

『ヤング率＝縦弾性係数』
もの( 弾性体) を引っ張ったときの伸び( 体積の変化) と力の関係から求められる定数です
➡ 定数(E) で表される

「曲げ剛性」や「たわみ剛性」とも呼ばれます。
物体の強さを示す弾性率のこと
ヤング率が大きい＝固く、変形しにくいということになります

■弾性体って？
バネのように力を加えると変形し（ばねの場合は縮む／伸びる）
加えた力を除くと形が元に戻る物体のことです。
➡弾性体では加えられた力と変形の大きさの間にフックの法則が成立する


❏各素材のヤング率❏
単位はGPa またはN/mm^2 で表される( 今回はGpa / ギガパスカル)
※数値はあくまで一般的な参考値です

◆ 0～50Gpa
プラスチック：0.7 ～ 4.0
ナイロン：0.12 ～ 0.29
木材( ひのき)：13
マグネシウム：44.7

◆ 50～100Gpa
アルミ：66.7
アルミ合金：70
金：78
銀：82
真鍮：100

◆ 100～200Gpa
チタン：106
亜鉛：108
銅：130
シリコン樹脂：185
ステンレス(SUS304)：193

◆200Gpa～
炭素鋼：205 ～211
ニッケル：200 ～216
モリブデン：327
タングステン：403
炭化ケイ素：410 ～ 440


【降伏点とは】
バネの項でも学びましたが、ある程度の力を加えれば元の形に戻り、
それ以上の力を加えると戻らなくなる現象＝塑性です。それにちなむもの

■降伏点
力を加えると伸びる、縮む。力を取り除くと元の形に戻る性質を弾性といい。
その範囲を弾性域という
元に戻らない性質を塑性といい、その範囲を塑性域と言います。
そのちょうど境目となる強度の値のことを降伏点と言う。

■下位降伏点
強度がガクンと落ちる降伏点から多少の上下を繰り返し、最大強度まで応力が上がっていく。
その低限を下位降伏点と言う。
下位降伏点～極限強さまでの間で加工硬化が起こります


CHECK☞
ヤング率が大きいほど剛性の高い材料とされるが、
変形のしにくさの指標となり、実際に「壊れやすい」とは別の意味合いとなります、注意しましょう。

まとめ：
ヤング率の求め方などは各自学んでいただくとして
どのような素材のヤング率が高いなどを頭にいれておきましょう。シリコンが意外と高いですね



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