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「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

今回はvol.67【鋳鉄をマナブ】です。
継手でもよく使われる可鍛鋳鉄も鋳鉄。鋳鉄について学んでみよう

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▶▶▶鋳鉄をマナブ▶▶▶

【鋳鉄とは】
パイプマナブvol.21 でも少しだけ触れた鋳鉄ですが、
マンホールをはじめ自動車や家庭用品にも使われている金属材料です。

炭素鋼と同様に鉄がベースの金属です。
ケイ素と鉄を主成分とした鋳造金属で
炭素が「2.14 ～ 6.67%」の割合で含まれているものです
（鉄は0.02％以下 / 炭素鋼は0.02～0.14％）

鋳物は溶かした金属を型に流し込んで作ったもの
鋳鉄は素材のことを指します、字面は煮ていますが全く違うものです

〇長所
・硬さ、耐摩耗性に優れる
・比較的低い温度で鋳造などができる
・振動吸収能が高く熱衝撃にも強い

×短所
・硬い反面脆くなる
・靭性が低いため薄肉形状には不向きである
・炭素量が多いため溶接に不向き


【鋳鉄の種類】
通常の鋳鉄にあわせて、添加剤や加工を加えた強化した鋳鉄がある
炭素の量や添加されている材料の違いで色々と分かれています。

◆通常の鋳鉄

❏ねずみ鋳鉄 ➡ 破断面がねずみ色の鋳鉄
鋳鉄ではいちばん一般的で広く使われており、普通鋳鉄とも呼ばれる。
含まれている炭素がグラファイト（黒鉛）の状態で存在している。
片状黒鉛鋳鉄という振動に強い性質を持ったものもあります。
これらの鋳鉄はFC（鉄 / Casting）と呼ばれFC100 など数字で強さが示される。

❏白鋳鉄 ➡ 破断面が白い鋳鉄
鋳鉄では溶かした鋳鉄を急速冷却することで、セメンタイト（Fe3C）とよばれる白い結晶が生成される。
それにより破断面が白くなる。
ねずみ鋳鉄より耐摩耗性が高く、腐食しにくい。
その反面、被削性が悪く加工が難しく、かつもろく割れやすいという特徴があります。


◆強化した鋳鉄

❏強靭鋳鉄 ➡ 高級鋳鉄と呼ばれる強靭な鋳鉄
ねずみ鋳鉄 / 片状黒鉛鋳鉄よりも強度が優れた鋳鉄の総称になります。
強度の高い、FC250、300、350 級のもの。強さや延性が大きく、靭性が認められています。
引張り試験における伸びは1％程度あり、また高級鋳鉄と呼ばれることもある。

❏ダクタイル鋳鉄 ➡ 黒鉛を球状化した鋳鉄
鋳鉄に含まれる黒鉛を球状化したもの、鋳鉄にマグネシウムなどを加えることで生成する。
球状黒鉛鋳鉄などとも呼ばれます。
通常のねずみ鋳鉄は強度が低く、脆いですがダクタイル鋳鉄は応力が集中しにくく
耐久性に優れています。

❏可鍛鋳鉄 ➡ 白鋳鉄の強度を向上させた鋳鉄
通常の白鋳鉄を特殊な熱処理によって強度を向上させたもの。
可鍛＝強く叩いたときに割れにくいという意味。
熱処理方法に応じて「白心可鍛鋳鉄」「黒心可鍛鋳鉄」「パーライト可鍛鋳鉄」に分かれ
それぞれ異なる特性を持っている。

⇒白心可鍛鋳鉄：熱処理で一部の炭素を除去したもの。鋼と似た性質を持つ
　黒心可鍛鋳鉄：白鋳鉄のセメンタイトを分解したもの。柔らかさや伸びに優れている
　パーライト可鍛鋳鉄：粘り強さがあり、引張り強度は可鍛鋳鉄の中でも特に優れている

❏CV鋳鉄 ➡ ねずみ、ダクタイルの中間的鋳鉄
ダクタイル鋳鉄に等しい強度を持ちつつ、優れた機械加工性、鋳造性、高い熱伝導率、振動吸収性を備えている。
ねずみ鋳鉄とダクタイル鋳鉄の中間的な特性を持っており。
コンパクティッド・バーミキュラ鋳鉄（芋虫鋳鉄）と呼ばれています。


CHECK☞
FC 以降の3 桁の数字で引張り強さを表しています。
FC150 であれば、引張り強さが150MPa 以上ということ


まとめ：
基本的に継手は決まった型があります。
平成工業としては鋳鉄の分野と関わることは現状ありませんが、知識として鋳鉄は覚えておきましょう。


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