「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

今回はvol.47【純銅どうでしょう】です。
前回の銅についての記事にて銅合金とは別の「純銅」はどうでしょう？という内容です

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銅ってどうでしょう【パイプマナブ vol.46】
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▶▶▶純銅どうでしょう▶▶▶

【純銅とは】
銅合金といっても純銅に限っては99.90% 以上の高純度の銅のこと
主に工業用に使用されることが多い素材です。

Cu( 銅) の純度が99.90% 以上の電気銅をベースにした材料
前回の銅の説明と重複しますが、導電性 / 熱伝導性に優れており
延性、加工性などに富み、抗菌の効果もあるとされています。

☞ 銅合金との違い
銅合金は様々な素材と組み合わさるため純銅よりも硬度や剛性などが得られたり
銅そのものの色とは違った光沢を得ることができる、その反面導電性などは純銅の方がはるかによくなります。


【純銅の種類】
溶解の過程で残る酸素の量によって3種類の銅に分類される。
機械強度に関しては弱いが加工硬化でそれなりの硬さを得ることができる

酸素の量や脱酸により
「タフピッチ銅（電気銅）」、「脱酸銅（りん脱酸銅）」、「無酸素銅」に分けられる

■タフピッチ銅 (合金記号 : C1100 )
純度99.9 以上の純銅で、0.02 ～ 0.05％程度の微量の酸素を含む銅のこと。
銅の中で最も入手しやすく幅広く使用される。また展延性、耐食性、耐候性にも優れています。
加工性が高く、絞り、曲げ、伸ばし加工に向いている。その反面溶接、はんだ、ろう接には不向き

600℃以上で加熱した場合には亀裂を生じさせる水素脆化を引き起こす場合があります。
水素脆性 ➡ 水素が材料内部に残っている酸素と反応し水蒸気を作り、材料に亀裂を生じさせること


■脱酸銅 (合金記号 : C1201 / C1220 / C1221 ※三つともに「りん脱酸銅 」 )
タフピッチ銅の持つ水素脆性の対策を行ったもので、りんで脱酸をした純銅( りん脱酸銅) です。
タフピッチに比べて導電率は劣るが、りんが残留しているため酸素が除去され、加熱しても水素と反応して内側から水蒸気が生成されない利点がある ➡ 耐熱性が向上している。
押し広げ・曲げ・絞りなどの加工にも適しています。
りん酸銅の主な用途として、熱交換器、給水・給湯用、ガス管、建築用など幅広く使用される
平成工業で扱うりん脱酸銅はC1220 です.


■無酸素銅 (合金記号 : C1020 / C1011→電子管用無酸素銅 )
純度99.96％以上の高純度銅。酸素量が0.001% から0.005% とごく微量に抑えられており、高温・還元性雰囲気下において水素脆化を起こすリスクがありません。
添加元素がないため銅の中でも熱伝導性、導電性が非常に高い。
一方で粘り気が強い為、切削性はあまりよくありません

電子・電機機器、ブスバー、熱交換器や化学工業用など幅広く使われます。
精密加工が必要もの高温下で使用する場合では無酸素銅が向いています。


CHECK☞純銅の細かい酸素量の違いでもそれぞれの性質が際立ちます。
りん脱酸銅は汎用性も高く工業用としてよく使われているイメージです。


まとめ：平成工業はりん脱酸銅のC1220 の銅パイプを曲げることがあります。
やはり鉄と比べると柔いので割れなどに気を付けましょう。


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