「パイプマナブ」シリーズ
パイプ曲げや製造、ものづくりにおいての基礎知識を初歩から学んでいこうという記事になります。

今回はvol.37【転造を学ぼう】です。
〇造シリーズもここで一段落、鋳造、鍛造ときて今回は転造について学びます。

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▶▶▶転造を学ぼう▶▶▶

【転造とは？】
読み方は「てんぞう」、塑性加工の一つ。
素材に強い力を加え部材を盛り上げて成形する金属加工方法です。ローリング加工とも言う

主に作られるものは雄ねじやギア関連の歯車など
素材に強い力を加えることで、素材を圧縮 / 膨張させ成形をしていきます。
「転造ダイス」と呼ばれる断面がねじ山の形をした工具を回転しているワークに押し当て加工をしていきます
押して伸ばすというイメージでOK です。

◎メリット
・工具の交換頻度が少ないため工具を長く使用でき、生産性が高い
・加工硬化で強度が高い
・( 切り屑などが出ず) 環境にやさしく歩留まりも良い

×デメリット
・設備投資の費用が高額
・加工の応用性に欠ける
・少量加工や試作に不向き


【転造加工の種類】
転造は転造盤と呼ばれる装置を使います。
転造ダイス（工具）の種類や加工法の違いによって分類されます
平面ダイス転造方式( 平ダイス) / 丸ダイス転造方式 / プラネタリ転造加工 をまとめています

※参考図は添付の画像を確認ください

『平面ダイス転造( 平ダイス)』
平面な板状のダイスを用いる加工方法です。
2 枚のダイスで加工物をはさみ、一方のダイスは固定し、片方のダイスを平行方向に動かして加工を行います。
生産性が高く、汎用ねじの大量生産に用いられる。
　☞2 枚の平ダイスで加工物をはさみ、両者のダイスを同じ速度で反対方向に運動させる加工方法もあります。

『丸ダイス転造』
円筒状の丸ダイス（ローラーダイス）を用いる加工方法。
2 ～ 3 つの丸ダイスで加工物をはさみ、同じ速度で回転させながら加工する。
加工の応用性があり、転造ネジ以外の加工にも用いられている。
　☞生産性は平面ダイス、プラネタリには劣るが加工の自由度、応用度が高い。

『プラネタリ転造』
扇形のセグメントダイスと呼ばれるダイスと主軸に付けた丸ダイスを用いる加工方法。
セグメントの中で丸ダイスを回転させ、この間に加工物を送り込みます。
生産性は高く、平ダイス同様に大量生産向きです。
　☞加工中にダイス間距離の変更ができず、応用性は低いが生産性は高い。


CHECK👇
転造加工では、切削加工とは異なり ファイバーフロー/ 繊維状金属組織が切断されず
連続したフローを持ち、強い力で押し込まれた金属繊維が圧縮され密度が高くなり
加工硬化を起こし、強度が高くなっていきます。


まとめ：
ほぼネジに特化した加工と言ってもいい加工法それが転造です。
歯車やローレットなども製作される、ニッチですがなくてはならない加工です



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