建築部品
【水回り部品に真鍮が多く使われる理由】
真鍮(黄銅)は、水栓金具や配管継手、バルブなど、多くの水回り部品に使用されている金属材料です。
その理由は、単に「水に強い」からではありません。
真鍮には、
・耐食性に優れる
・切削加工しやすい
・熱間鍛造に適している
・強度と加工性のバランスが良い
・気密性が求められる部品を作りやすい
といった特徴があります。
水回り部品では、耐食性だけでなく、長期間の使用に耐える強度や、水漏れを防ぐための高い加工精度も必要です。
真鍮は、これらの要求をバランス良く満たしやすい材料であるため、現在でも多くの水回り製品に採用されています。
【理由】
①水に対する耐食性に優れている
水回り部品は、長期間にわたって水や湿気に触れる環境で使用されます。
そのため、材料には高い耐食性が求められます。
真鍮は鉄のような赤錆が発生しにくく、水回りで使用しやすい金属材料です。
~代表的な用途~
・水栓金具
・給水部品
・配管継手
・バルブ
・止水栓
などがあります。
ただし、真鍮であればどのような水質・環境でも問題がない
というわけではありません。
使用環境や水質によって適切な材質を選ぶことが重要です。
②切削加工性に優れている
水回り部品には、
・ねじ
・穴
・シール面
・接続部
など、高い寸法精度が求められる部分があります。
真鍮は切削加工性に優れているため、NC旋盤やマシニング加工によって
精度の高い形状を作りやすい材料です。
特にC3604などの快削黄銅は、切りくず処理がしやすく、精密な切削部品に
使用されています。
③熱間鍛造に適している
水栓やバルブ、配管継手などでは、複雑な形状の部品が多く使用されます。
真鍮は熱間鍛造性に優れており、加熱した材料を金型で圧縮することで、
完成品に近い形状を成形できます。
代表的な鍛造用黄銅としてC3771があります。
熱間鍛造を活用することで、
・複雑形状を成形できる
・材料ロスを減らせる
・切削量を削減できる
・量産性を高められる
といったメリットがあります。
④気密性・耐圧性が求められる部品に適している
水回り部品では、単に形状を作るだけでは十分ではありません。
内部を流れる水が漏れないことが重要です。
特に、
・バルブ
・配管継手
・止水部品
などでは、気密性や耐圧性が求められます。
真鍮鍛造では、材料を圧縮しながら成形することで内部組織が
緻密になり、耐圧性や気密性が求められる部品にも適しています。
そのため、水やガスなどの流体を扱う製品で広く使用されています。
⑤鍛造と切削を組み合わせやすい
水回り部品の製造では、鍛造だけ、切削だけで完成させるとは限りません。
効率的なのが「鍛造+切削」です。
まず熱間鍛造によって完成形状に近い素材を作り、その後、
・ねじ部
・シール面
・穴
・寸法精度が必要な部分
だけを切削加工します。
これにより、材料使用量を抑えながら、必要な部分には高い寸法精度を
持たせることができます。
【水回りで使用される主な真鍮部品】
真鍮は次のような製品に使用されています。
・蛇口、水栓金具
・配管継手
・エルボ
・チーズ
・ソケット
・バルブ本体
・止水栓
・給水接続部品
・温水設備部品
住宅設備だけでなく、工場設備や各種産業機器にも使用されています。
【水回り部品で使用される主な黄銅材】
用途によって黄銅の種類を使い分けます。
■ C3604
快削黄銅として知られています。
~特徴~
・切削性が非常に良い
・精密加工に向いている
・ねじや小型部品を作りやすい
■ C3771
鍛造用黄銅です。
~特徴~
・熱間鍛造性が高い
・バルブや継手に適している
・鍛造+切削に向いている
■ C6801
鉛レス黄銅です。
~特徴~
・鉛レス材料
・環境対応用途に使用される
・給水関連製品で検討される
使用条件や要求仕様に応じて最適な材料を選ぶことが重要です。
【当社が考える水回り部品の真鍮加工】
当社では80年以上にわたり、黄銅の熱間鍛造から切削加工まで
一貫して対応してきました。
これまでにも、
・配管継手
・バルブ部品
・水栓関連部品
など、水や流体を扱う多くの部品を製造しています。
実際の製造現場で重要だと考えているのは、「真鍮を使えば水回りに適している」という単純な考え方ではありません。
部品ごとに、
・どのような水や流体が流れるか
・どの程度の圧力がかかるか
・気密性がどこまで必要か
・生産数量はどの程度か
・どの部分に加工精度が必要か
を確認し、材質と工法を決めています。
例えば、配管継手やバルブ部品では、C3771などの黄銅材を熱間鍛造し、その後にねじ部やシール面を切削加工する方法を採用するケースがあります。
丸棒からすべてを削り出すのではなく、鍛造で完成形状に近づけることで、
・材料使用量の削減
・切削時間の短縮
・工具負荷の低減
・量産時の品質安定
につなげることができます。
また、給水用途などで環境対応が求められる場合には、C6801など鉛レス黄銅のご相談にも対応しています。
水回り部品では材料だけでなく、「材質+形状+加工方法」を一体で考えることが重要です。
【水回り部品の材料選定で注意するポイント】
真鍮は水回りに適した材料ですが、使用条件を確認せずに選定することはできません。
~確認したいポイント~
・水質
・使用温度
・使用圧力
・薬品の有無
・必要な耐食性
・環境規制
・要求寿命
条件によっては、ステンレスなど他の材料を検討した方が適している場合もあります。
【まとめ】
水回り部品に真鍮が多く使われる理由は、耐食性だけではありません。
真鍮には、
・水環境で使用しやすい耐食性
・優れた切削加工性
・熱間鍛造性
・強度と加工性のバランス
・気密性、耐圧性が求められる部品への適性
があります。
特に配管継手やバルブ、水栓部品では「鍛造+切削」を活用することで、品質とコストを両立できる可能性があります。
当社では黄銅鍛造から切削加工までの経験を活かし、水回り部品の用途や要求性能に応じた材質・工法をご提案しています。
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