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真鍮(黄銅)加工とは
真鍮(黄銅)とは銅と亜鉛の合金で、美しい色調の有色金属です。
銅の特徴を持ちながら、加工性が向上しています。一般的に亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、亜鉛の割合が少なくなるにつれて赤みが強くなります。亜鉛の割合の増加に伴い硬度が増しますが、同時に脆さも増すため、切削加工に使われる真鍮の亜鉛は40%以内のものがほとんどです。
金属加工に用いられる真鍮(黄銅)の特徴は主に以下の4つです。
<真鍮の特徴>
1.電気伝導性が高い
銅の合金である真鍮は、合金の中でも電気伝導性が高いのが特徴です。純銅の電気抵抗値は銀の次に低く、銀よりも安価であるため電力送電の設備や電子機器部品などに利用されています。真鍮は亜鉛を添加している分、純銅よりも電気伝導性が低くなりますが、強度面・加工性も含めて導電材料として利用しやすくなっています。コネクターやコンセントといった身近な接続器などの材料としても利用されています。
2.熱伝導性が高い
真鍮は熱伝導性が高い金属です。これも銅の特徴から来るもので、亜鉛が添加されている分、純銅の熱伝導率よりも低い値ですが、合金としては高い熱伝導性を持った材料です。
3.加工性に優れる
真鍮は熱間鍛造性に優れています。熱間鍛造とは、歪んだ結晶が正常な結晶に変化する「再結晶温度」以上に熱した金属に対して行う加工です。熱間鍛造性に優れている真鍮は、過熱によって複雑な形状に加工することができます。
さらに、真鍮は展延性に優れており、材料が破損せずに柔軟に変形することが可能です。展延性は展性と延性の2つに分類され、展性は圧縮する力を加えた際に薄いシート状に成形できる性質、延性は引っ張る力を加えた際に細く引き伸ばせる性質です。この2つに優れた真鍮は、薄く広げたり細く伸ばしたりと両方の加工をすることが可能です。
さらに真鍮には鉛が添加されることで、被削性(切削加工での削りやすさ)が向上しています。被削性が高い真鍮は、高度な精密加工が必要な部品の材料としても選定されおり、時計の精密部品やボルト・ナットなどにも利用されています。
4.超抗菌性能
銅には菌の増殖を抑制する以上の効果があり、真鍮にもこの効果が認められています。
<真鍮(黄銅)の種類>
【黄銅1種(C2600)】
銅と亜鉛の比率がおおよそ70:30になっている黄銅です。七三黄銅とも呼ばれます。展延性・絞り加工性・めっき性に優れています。
【黄銅2種(C2680)】
銅と亜鉛の比率がおおよそ65:35になっている黄銅です。六四黄銅とも呼ばれます。展延性・絞り加工性・めっき性に優れています。
【黄銅3種(C2801)】
銅と亜鉛の比率がおおよそ60:40になっている黄銅です。強度が高く、部品の材料として選定されることの多い金属です。
【快削黄銅(C3602,C3604)】
黄銅3種(C2801)に鉛を添加し、切削性を向上させた黄銅です。削りやすく仕上げ面の品質も高くすることができるため、切削加工による黄銅の部品の製作の際には選定されることが多いです。溶接加工やめっきの処理も行うことができます。
【ネーバル黄銅(C4641)】
黄銅に少量の錫を添加し、耐食性(特に耐海水性)を高めた金属です。錫により硬度が向上しています。鍛造や溶接加工に向いており、切削加工には不向きです。
<真鍮を使用する際の注意点>
・真鍮は耐食性に優れた金属ですが、空気中では徐々に表面が酸化されて酸化銅(黒ずみ)という皮膜に覆われます。これにより内部が保護され、強度の低下を防いでいます。表面はめっき処理やクリアコートなどの加工を施していなければ酸化して変色します。
・例えば真鍮でできている五円玉は、経年劣化で黒ずんだ色に変色していきます。また、手垢や汗などの影響で変色や錆が進行し、緑青(ろくしょう)と呼ばれる青っぽい錆が発生することもあります。そのため、綺麗な状態で長く使用するためには、定期的な手入れが必要となります。
・さらに、ゴム製品と相性が悪く、接触すると黄銅と化学反応を起こしゴムを分解腐食させてしまうことがあります。
<真鍮の用途>
・紙幣の印刷機などの精密機械や水洗便所の給水管や便器給水スパッド、理化学器械類や鉄道模型等の材料、弾薬の薬莢や金属模型など、多くの場面で利用されています。日本では仏具や金管楽器(金管楽器の別名であるブラスは真鍮の英名に由来)などにも多く利用されています。
・また、1948年から現在に至るまで、日本で発行されている五円硬貨の材料としても使われています。金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされ、貧者の金とも呼ばれます。日本の時代劇において小道具として使われるレプリカの小判も真鍮製のものが多くあります。電流が流れやすいという特徴を活かして、コネクターコンセントのような接続器の材料としても使用されています。
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2025/10/28
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