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金属3Dプリントは、試作から量産までの幅広い工程で活用できる技術として注目されています。
特に、金型不要で設計の自由度が高く、短納期での製造が可能なため、航空宇宙、自動車、医療、産業機械など多くの業界で導入が進んでいます。
試作から量産までの金属3Dプリント活用の流れと、導入時の注意点について詳しく解説します。
【金属3Dプリントを活用した製造の流れ】
1. 設計・データ作成
・ 3D CADソフトを用いて設計を行い、積層造形に適した形状を作成
・ トポロジー最適化やラティス構造を活用し、軽量化と強度のバランスを調整
2. 造形方式の選定
・ SLM方式(選択的レーザー溶融):高精度な部品や微細構造に適用
・ EBM方式(電子ビーム溶融):耐熱性や強度が求められる部品に最適
3. 材料の選定
・ アルミ合金(軽量化)、チタン合金(高強度・生体適合)、ニッケル合金(耐熱性)、銅合金(高熱伝導性)など、用途に応じた材料を選択
4. 造形プロセスの実施
・ 造形条件(レーザー出力、積層ピッチ、スキャン速度)を最適化
・ 造形中の温度管理と粉末供給の制御により、均一な造形品質を確保
5. 後処理工程
・ サポート材の除去、熱処理(HIP処理)、機械加工、研磨を実施
・ 必要に応じてコーティングや表面処理を施し、耐久性や耐摩耗性を向上
6. 品質検査と試験
・ X線CTスキャンや非破壊検査を用いた内部欠陥のチェック
・ 強度試験や精度測定を行い、製品の性能を確認
7. 量産工程への移行
・ 試作段階での設計調整を反映し、安定した量産体制を構築
・ 一度に複数の部品を造形し、造形効率を向上
【金属3Dプリントを活用する際の注意点】
1. 設計の最適化が必要
・ 造形方向やサポート材の配置を考慮しないと、精度や強度に影響が出る
・ 3Dプリントに適した設計手法(DFAM)を取り入れる
2. 材料特性の理解
・ 造形後の熱処理による寸法変化や強度特性の変化を考慮
・ 粉末材料の管理(粒度、酸化防止)を適切に行う
3. 造形コストと生産性のバランス
・ 小ロットや試作には適しているが、大量生産にはコスト面での調整が必要
・ 必要に応じて切削加工や鋳造とのハイブリッド製造を検討
4. 品質管理の徹底
・ 造形時の温度変化や応力による歪みを抑えるためのプロセス管理が重要
・ 後処理(熱処理・研磨・表面仕上げ)による精度向上を考慮
5. 量産化時のリスク管理
・ 造形時間の短縮と安定した品質確保のために、製造パラメータを標準化
・ 造形不良を減らすためにシミュレーション技術を活用
【金属3Dプリントを活用した試作・量産の成功事例】
1. 航空宇宙分野:軽量エンジン部品の開発
・ ジェットエンジンの燃焼室部品を3Dプリントで試作し、軽量化と冷却性能の向上を実現
・ 試作から量産移行までの期間を50%短縮
2. 自動車分野:EV向けバッテリー冷却システム
・ 銅合金を使用した冷却プレートを3Dプリントで試作し、従来製法よりも冷却効率を向上
・ 量産対応時に一体成形設計を採用し、部品点数を削減
3. 医療分野:患者ごとにカスタム設計されたインプラントの製造
・ 3Dスキャンデータを基に個別設計し、短納期でのカスタムインプラント製造を実現
・ 造形後のラティス構造により、骨との結合率を向上
4. 産業機械分野:高耐久ギアの試作と量産
・ 3Dプリントで試作し、機械特性を確認した後、量産向けの最適化設計を実施
・ 高耐摩耗材料を使用し、耐久性を従来比1.5倍向上
5. エネルギー分野:次世代熱交換器の試作・製造
・ 3Dプリントを活用した複雑流路設計により、従来設計よりも熱交換効率を30%向上
・ 量産移行時に一括造形プロセスを採用し、生産コストを削減
【試作から量産への移行時に考慮すべきポイント】
1. 試作段階での設計変更を迅速に反映
・ CADデータの修正や最適化を柔軟に行い、量産時のトラブルを回避
2. 造形パラメータの標準化
・ 試作と量産で品質のバラつきを抑えるため、適切な造形条件を設定
3. 量産時のコスト管理
・ 造形効率を向上させるため、部品の配置や積層方向を最適化
4. 品質保証体制の確立
・ 量産時の品質検査を強化し、一貫した製品品質を維持
【まとめ】
金属3Dプリントを活用することで、試作から量産までのプロセスを効率化し、短納期・高精度な部品製造が可能になります。
特に航空宇宙、自動車、医療、産業機械、エネルギー分野では、設計自由度の向上や一体成形による部品点数削減が大きなメリットとなります。
量産移行時には、造形パラメータの最適化や品質管理を徹底し、安定した生産体制を構築することが重要です。
日本積層造形株式会社では、金属3Dプリントを活用した試作・量産対応を支援し、最適な製造ソリューションを提供しています。
3Dプリントの導入や量産展開をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
日本積層造形株式会社
〒985-0874 宮城県多賀城市八幡一本柳3-8
TEL:022-290-0625
FAX:022-290-0631
URL:https://www.jampt.jp
| 会社名 |
日本積層造形 株式会社 (にほんせきそうぞうけい) |
エミダス会員番号 | 95395 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 宮城県 多賀城市八幡 |
| 電話番号 | 022-290-0630 | FAX番号 | 022-290-0631 |
| 資本金 | 9,900 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 32人 | 担当者 | |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
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