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近年、金属3Dプリント技術の進化により、異なる金属材料を組み合わせた複層造形が可能になりました。
従来の製造方法では困難だった異種金属の一体成形が実現し、航空宇宙、自動車、医療、エネルギー、電子機器分野などでの活用が広がっています。
異種金属の3Dプリント複層造形技術の特徴と、その活用が進む業界について詳しく解説します。
【異種金属の3Dプリント複層造形技術とは】
異種金属の複層造形とは、異なる特性を持つ金属材料を一体で成形し、機能性を向上させる技術です。
レーザー方式(SLM)や電子ビーム方式(EBM)を用いて、造形中に材料を変更することで、異種金属の結合を実現します。
1. 材料の特性を最大限に活用
・ 強度が必要な部分にはチタン合金、熱伝導性が求められる部分には銅合金を適用
・ 耐摩耗性や耐食性を向上させるための表層コーティングとして活用可能
2. 部品の一体化による性能向上
・ 溶接やボルト接合が不要になり、接合部の強度向上と軽量化が可能
・ 材料の組み合わせにより、従来よりも高機能な部品の製造が可能
3. 製造コストとリードタイムの削減
・ 複数の材料を一体で造形することで、従来の加工工程を削減
・ 設計自由度が向上し、試作から量産までの時間短縮が可能
【異種金属3Dプリントの活用が広がる業界】
1. 航空宇宙分野
・ 軽量かつ高強度な構造部品の製造に適用
・ 例:耐熱性が求められる部分にはニッケル合金、高強度部分にはチタン合金を使用
・ 例:ロケットエンジンの燃焼室に、銅合金(冷却部)とニッケル合金(耐熱部)を組み合わせる
2. 自動車分野
・ 軽量化と機能向上を両立したエンジン部品やバッテリー冷却部品に応用
・ 例:電動車両向けモーターハウジングに、放熱性の高い銅合金と剛性の高いアルミ合金を組み合わせる
3. 医療分野
・ 生体適合性の高いチタン合金と耐摩耗性の高いコバルトクロム合金を組み合わせ、人工関節や歯科インプラントを製造
・ 例:チタン製の骨インプラントの表面に、コバルトクロム合金を適用し、耐摩耗性を向上
4. エネルギー分野
・ 高温・高圧環境で使用されるタービンブレードや熱交換器の製造に適用
・ 例:耐熱ニッケル合金と高伝導性銅合金を組み合わせた次世代の熱交換器
5. 電子機器・半導体分野
・ 高熱伝導性と耐久性が求められる放熱部品に適用
・ 例:ICパッケージの熱拡散プレートに銅合金とアルミ合金を使用し、放熱性能を向上
【異種金属の3Dプリント複層造形を成功させるポイント】
1. 材料の適切な選定
・ 熱膨張率や密着性を考慮し、異種金属間の接合特性を最適化
・ 造形後の応力や熱処理を考慮し、接合強度を確保
2. 精密な造形プロセス制御
・ 材料の切り替えタイミングや溶融条件を最適化し、異種金属の均一な接合を実現
・ 造形シミュレーションを活用し、応力や歪みの影響を最小限に抑える
3. 後処理技術の活用
・ 造形後の熱処理や機械加工を適用し、異種金属の結合強度を最大化
・ 表面処理技術を組み合わせ、耐食性や耐摩耗性を向上
【異種金属3Dプリントの活用事例】
1. 航空機エンジンの軽量化部品
・ ニッケル合金とチタン合金を組み合わせ、耐熱性と軽量化を両立
・ 造形後の熱処理を最適化し、異種金属の密着強度を向上
2. EV向け高性能冷却プレート
・ 高熱伝導性の銅合金と軽量なアルミ合金を組み合わせ、冷却性能を最大化
・ 従来の放熱部品と比較し、20%以上の軽量化を達成
3. 人工関節の耐摩耗コーティング
・ チタン合金製のインプラント表面にコバルトクロム合金を適用し、耐摩耗性を向上
・ 患者ごとのカスタマイズが可能になり、手術適合率を向上
4. 次世代タービンブレードの開発
・ 高温耐性のあるニッケル合金と軽量なチタン合金を組み合わせ、タービンの寿命を延長
・ トポロジー最適化を活用し、強度と軽量性を両立
【まとめ】
異種金属の3Dプリント複層造形技術は、これまでの製造方法では困難だった高度な部品設計を可能にし、航空宇宙、自動車、医療、エネルギー、電子機器などの業界で活用が広がっています。
適切な材料選定、造形プロセスの最適化、後処理技術の活用により、より高機能な金属部品の製造が可能になります。
今後さらなる技術の発展により、異種金属3Dプリントは多くの産業で標準的な製造手法となることが期待されます。
日本積層造形株式会社では、異種金属の3Dプリント複層造形技術を活用した試作・量産を支援しています。
試作から製品化までの一貫対応を行い、お客様のニーズに合わせた最適な製造ソリューションを提案いたします。
金属3Dプリンターの導入や活用をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
日本積層造形株式会社
〒985-0874 宮城県多賀城市八幡一本柳3-8
TEL:022-290-0625
FAX:022-290-0631
URL:https://www.jampt.jp
| 会社名 |
日本積層造形 株式会社 (にほんせきそうぞうけい) |
エミダス会員番号 | 95395 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 宮城県 多賀城市八幡 |
| 電話番号 | 022-290-0630 | FAX番号 | 022-290-0631 |
| 資本金 | 9,900 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 32人 | 担当者 | |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
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